ディカプリオ新作で「超日本語吹替版」を採用!今後は洋画鑑賞の新スタンダードになる予感
第79回アカデミー賞4冠に輝いた映画『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオが4度目のタッグを組んだ超ド級ミステリー大作映画『シャッター アイランド』が日本において字幕版に加え、日本語吹替版を超える「超日本語吹替版」で劇場公開されることが決定した。果たして超日本語吹替版とは? そして今、なぜ吹替版が求められているのか。
映画館で洋画を観る場合、「やっぱり字幕版がいい」とこだわるファンは少なくない。一方で、邦画に親しんでいる若い世代は吹替版に対する抵抗感が薄く、インターネット調査では、10代の約半数(48.4パーセント)が映画館での洋画鑑賞に吹替版を選んでいるという結果が出た。さらにシニア層からは「字幕は速くて読みきれない」という声も。字幕版と吹替版が両方選べるDVDの普及や、ここ数年の海外ドラマ人気も吹替版の需要を高めている。今や、映画業界では「吹替版を積極的に展開しない洋画は、興収10億円突破が難しい」というのが定説となりつつあるほどだ。
しかし、吹替版に対しては「作品のイメージが崩れる」「役者の口とセリフがマッチせず、違和感や不自然さを感じる」「芸能人を起用した吹替はウンザリ」といったような意見があるのも事実。そこで登場したのが超日本語吹替版というわけだ。今回、字幕翻訳界のパイオニア的存在である戸田奈津子氏が、初めて日本語吹替版の監修を務め、字幕版と吹替版を同じ人物がかかわることで微妙なズレを補整。例えば「銃を持ったままじゃ、この門はくぐらせない」というセリフは、「銃を持ったまま門を通すわけにはいかない」というように翻訳的な言い回しを避け、違和感のない話し言葉にこだわる。もちろん起用するのはプロの声優のみ。目指すのは、映像に集中し観客に「ディカプリオ、日本語超うまいね」と思わせるほどのフィット感だ。
映画『シャッター アイランド』は、精神を病んだ犯罪者だけを収容する孤島を舞台に、女性の行方不明事件を捜査する連邦保安官テディ(ディカプリオ)の苦闘を描いたミステリー。19日より公開されたアメリカでは映画興行ランキング1位を記録し、3日間の興収は約37億円。これはディカプリオの代表作映画『タイタニック』の約26億円というオープニング時の数字を優に超えるもので、ディカプリオ出演作の中でも、過去最高のオープニング興行収入となった。次から次へと不可解なナゾが発生する映画全体が、衝撃のクライマックスを解き明かすヒントになっているだけに、一瞬たりとも気が抜けない。字幕を追っている間に、重要なシーンを見逃しては、すべてが台無しというもの。ぜひ洋画鑑賞の新スタンダードになりうる超日本語吹替版にトライし、目と耳をフル稼働させる究極の謎解きを堪能してほしい。
映画『シャッター アイランド』は4月9日より全国公開