ポン・ジュノ監督が影響を受けたのは、今村昌平監督
映画『殺人の記憶』『グエムル -漢江の怪物-』で韓国を代表する監督となったポン・ジュノ監督が、映画『母なる証明』とハリウッドリメイク企画について語ってくれた。本作は、凄惨(せいさん)な女子高生殺人事件を皮切りに、事件の容疑者となった息子と、息子の無実を信じて真犯人を追う母の姿を描くサスペンス。息子役は兵役後初の映画出演となるウォンビン。
「それまでのウォンビンのハンサムなイメージを覆せる上に、彼はもともとナイーブな要素を持っていた。それに田舎町出身だから田舎の生活習慣をしっかり理解していたし、母親役のキム・ヘジャ同様に目に光を感じたんだ」と今回のキャスティングについて語るポン・ジュノ監督。また撮影について聞くと「セックスシーンは大変だった。そういったシーンの撮影は初めてだったからね!」と笑う。
日本映画に影響を受けているというポン・ジュノ監督は「今村昌平監督には影響を受けたと思う。人間の隠された本能を描く作風が好きで、彼の作品では映画『復讐するは我にあり』が特に気に入っている」と明かす。そして映画『グエムル -漢江の怪物-』のハリウッドリメイク企画については「肝心なのは、どれだけ新鮮なものをリメイクで生み出せるかということ。あの映画は低予算で製作しているため、監督としてファイナルカットなど権限を持っていた。もし僕がハリウッドに招かれたとしたら、同じ条件でなければ製作したくない。それに『グエムル -漢江の怪物-』のリメイク企画には一切ノータッチなんだ」と教えてくれた。(取材・文:細木信宏/ Nobuhiro Hosoki)