近衛はな、撮影中は父・目黒祐樹を突き飛ばすほどの熱演!でも普段はほんわか親子
吉田松陰の知られざる恋愛秘話に迫った映画『獄(ひとや)に咲く花』で初の親子共演を果たした近衛はなと目黒祐樹がそろってインタビューに応じ、幕末の偉人への思いやお互いへの要望を明かしてくれた。
本作は幕末に開いた私塾が、後に明治維新政府の指導者となる人物を数多く輩出するなど、理想の教育者としてたたえられている吉田松陰の生誕180年記念映画。吉田が海外への密航を図った罪で投獄されていた日々にスポットを当て、同じ場所に収監されていた実在の女囚との間に芽生えた淡い恋を絡めつつ、その実直な生きざまに迫る歴史ドラマだ。今回、その女囚の高須久役に抜てきされたのが俳優の目黒祐樹を父親に持ち、母親も元女優の江夏夕子、伯父が松方弘樹という芸能一家出身の近衛はな。これまでも司会者や脚本家としてマルチな才能を発揮してきた近衛は、本作で吉田との出会いによって希望を見いだしていく薄幸のヒロインをしっとりと演じている。
近衛は演じ終えた現在「松陰先生が処刑された小伝馬町を地下鉄で通ると、思わず手を合わせてしまいます」と吉田松陰の偉大さが身に染みている様子。撮影中に演技の勢い余って目黒を突き飛ばして転び、貧血を起こして撮影を中断させたことがあるそうで「松陰先生が江戸へ連れて行かれるのを追いかけて、それを止めようとした父演じる牢獄長を振り払うシーンです。あのときは暑くて着物もきつかったし、すごく本気を出していたので……」と恥ずかしそうに振り返り、ヒロインさながらのいちずな性格をうかがわせた。
すると突き飛ばされた方の目黒が「ヒロインは命懸けで松陰先生を愛していたから、あのぐらいの勢いがあっていい」とフォロー。初の大役を務めた娘の奮闘ぶりについて「自分のデビュー当時よりはましだったかな(笑)。及第点ではないけど、とにかく一生懸命さは伝わりました」と演技に対するひたむきな姿勢を評価した。そして「年の割に純粋さを残しているので、いつまでも失わないでほしいね」とほほ笑むと、近衛から「(父も)もう60歳過ぎているけど、とても好奇心旺盛。これからも年齢不詳のおじさんを目指してね」と言われ笑い合い、仲むつまじさを印象付けた。
最後に、この映画にかかわるずっと前から吉田松陰を尊敬していたという目黒は「今の日本があるのは幕末という時代を通り過ぎたから。その時代を最初に呼び込んだのが吉田松陰先生。映画を通してこの方の偉大さを再認識していただけたら」と力を込めた。坂本龍馬をはじめ、今もなお現代人を魅了し続ける幕末の偉人たち。そんな彼らが活躍する礎を築いた吉田の潔い生きざまと切ない恋愛秘話に、日本人としてこの機会に触れてみてはどうだろうか。
映画『獄(ひとや)に咲く花』は山口・福岡県にて先行上映中 4月10日より有楽町スバル座ほかにて全国公開