出演者の船酔いが続出!リチャード・カーティス監督が過酷な製作秘話を暴露!
映画『ラブ・アクチュアリー』など、ヒットメーカーとして知られるリチャード・カーティス監督が製作総指揮・脚本・監督を手掛けた映画『パイレーツ・ロック』の撮影で、キャストの何人かが船酔いしながらも演技に徹していた制作時の秘話を明かした。
本作は、ブリティッシュ・ロックが頂点を極めていながらも、イギリス当局によってラジオ放送が制限されていた1960年代を背景に、海上から24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、それを取り締まる政府の攻防戦を描いた痛快エンターテインメント。個性あふれる海賊DJたちが名曲ロックを流す場所は、当然船の上。撮影も船上で敢行されたため、海賊DJ役の俳優たちは船酔いに悩まされることになった。カーティス監督は、「女性たちが船上に来る、とてもすてきでゴージャスなシーンを撮影したときのこと。エレノア役のジャニュアリー・ジョーンズは天使のように見えたけど、彼女は本当はひどく気分が悪かったんだ。とてもハッピーに見えたエマ・トンプソンも、笑っているのは船酔いの悲しみを隠すためさ」と特に女性たちが船酔いに襲われていたことを吐露した。
また、本作の第2の主役は音楽だ。ザ・フー、クリーム、ザ・キンクス、スモール・フェイセス、ザ・ローリング・ストーンズ、プロコル・ハルムなど1960年代を彩った名曲が50曲以上使用され、登場人物たちの思いを代弁する。カーティス監督自身、海賊放送に耳を傾けていた少年時代を過ごしていて、本作は、そんなカーティス監督の青春時代のあこがれが存分に詰まっている。最初に買ったレコードは、「フォー・トップスの“Reach Out I'll Be There”。イントロで胸をわしづかみにされたよ」と当時を述懐。ベスト3レコードとして、「ビートルズの“And I Love Her”、ウォーター・ボーイズの“The Whole Of The Moon”、フリートウッド・マックの“Landslide”」を挙げ、「ハーマンズ・ハーミッツの“ヘンリー8世君”は以前から好きじゃない」と割ってしまいたいと思うようなレコードも教えてくれた。
カーティス監督がハーマンズ・ハーミッツの“ヘンリー8世君”を割ってしまいたいレコードだと大胆発言をしたくだりは、実は特典映像の未公開シーンに詳しく収録されている。ライバルのラジオ局、ラジオ・サンシャインがハーマンズ・ハーミッツを推していることを知った、フィリップ・シーモア・ホフマンふんする海賊DJが拒否反応を示すシーンだ。実はキャストたちが船酔いをガマンしながら撮影していたという話や、カーティス監督のロック熱を知ると違った見方ができるだろう。
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