美術監督・木村威夫氏91歳で死去、世界最高齢長編映画監督デビューでギネス記録保持者
25日、日活芸術学院学院長であり、日本映画・テレビ美術監督協会顧問である、映画美術監督の木村威夫氏が、都内の病院で3月21日午前5時45分に間質性肺炎のため亡くなっていたことがわかった。
木村氏は1941年、日活多摩川撮影所に入社。その後大映、新生日活、独立プロで、映画『肉体の門』『刺青一代』の映画美術を担当。その後1973年にフリーになってからは、映画『ツィゴイネルワイゼン』『海と毒薬』など約240本の映画に携った経歴を持ち、日本の映画美術における第一人者だった。さらに2004年には短編映画『夢幻彷徨 MUGEN-SASURAI』で映画監督デビューを飾り、2008年には長編映画『夢のまにまに』を監督し、世界最高齢長編映画監督デビューとしてギネス・ワールド・レコードに認定された。晩年になって、さらに活躍の場を広げていた木村氏の遺作は、長編監督2作目となり原案と脚本も担当した映画『黄金花 秘すれば花、死すれば蝶』。
数々の輝かしい受賞歴は、勲四等旭日小綬章、毎日映画コンクール美術賞、広告電通賞、映画評論美術賞、日本アカデミー賞最優秀美術賞など多岐にわたる。葬儀は遺族の意向により近親者のみで執り行われ、後日しのぶ会が行われる予定だ。