見事5冠に『空気人形』が輝く!高崎映画祭にオダギリジョー、ペ・ドゥナも来場し喜びを分かち合う!
28日、高崎市文化会館で第24回高崎映画祭オープニングセレモニーが行われ、映画『空気人形』が最優秀作品賞ほか5部門で受賞を果たした。授賞式には、本作のメガホンを取った是枝裕和監督のほか、最優秀主演女優賞のペ・ドゥナ、最優秀主演男優賞のARATA、最優秀助演男優賞のオダギリジョー、最優秀助演女優賞の星野真里らがそれぞれ登壇した。
最優秀作品賞を受賞した是枝監督は「作品賞をいただけるのはうれしいんですけども、この4人のキャストと一緒に受賞できたのが誇りです」と感慨深い様子。是枝作品3作目の出演となるARATAにとっても受賞は感慨深かったようで、うっすらと涙を浮かべながら「僕にとって是枝監督の作品に参加するのは特別なことで、10年目の節目となるときに参加させていただいてとても感慨深い気持ちになっています。思い入れが深い作品でこのような重みのある賞をいただいて、心からうれしく思っています」とかみ締めるようにコメント。さらに主演のペ・ドゥナも「わたしは何もやっていません。監督がわたしの演技がうまく見えるように演出してくれたので、すべては是枝監督のおかげです」と述べるなど、監督に対する感謝のコメントが続々と出ていた。
彼らのコメントを聞いた是枝監督は、「僕自身もこの作品ですべてを出し切って、絞り出すものが何も残っていませんでした。これで最後でもいいかなと思ったので、しばらく(監督業を)休みますと言ってしまいました。でも先ほど、この会場に来る前に、ずっとお世話になった(一昨年に亡くなった初代実行委員長の)茂木さんのお墓参りをしてきました。また次の作品を撮りますとごあいさつをしてきたんで、次の作品を持って、また高崎に来たいと思います」と休業宣言を終結し、新作を作る決意を新たにしていたようだった。
映画『空気人形』は、業田良家の短編マンガ「ゴーダ哲学堂 空気人形」からの1エピソードを映画化したファンタスティックでちょっと切ないラブ・ストーリー。韓国の人気女優であるペ・ドゥナが、心を持ってしまった空気人形を好演している。
第24回高崎映画祭の受賞結果は以下の通り
最優秀作品賞:『空気人形』是枝裕和監督
最優秀監督賞:園子温監督『愛のむきだし』
最優秀主演女優賞:ペ・ドゥナ『空気人形』
最優秀主演女優賞:小西真奈美『のんちゃんのり弁』
最優秀主演男優賞:ARATA『空気人形』
松山ケンイチ:『ウルトラミラクルラブストーリー』
最優秀助演女優賞:星野真里『空気人形』
最優秀助演男優賞:オダギリジョー『空気人形』
最優秀助演男優賞:森山未來『フィッシュストーリー』
最優秀新人賞:安藤サクラ『愛のむきだし』
第24回高崎映画祭は4月11日まで高崎市文化会館をメイン会場に、市内各所で開催中(取材・文:壬生智裕)