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寺尾聰「現場ではわがままばっかりでマイペース」と亡くなった北林谷栄さんをしのぶ

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晴やかな式典の中、どことなく寂しそうな寺尾聰
晴やかな式典の中、どことなく寂しそうな寺尾聰

 俳優の寺尾聰が7日、東京・青山スパイラルホールで開催された第19回日本映画批評家大賞の授賞式に出席し、先月27日に肺炎で亡くなった女優・北林谷栄さんへの思いを語った。寺尾と北林さんは2002年に公開された映画『阿弥陀堂だより』で共演している。

 今は亡き寺尾の父親・宇野重吉さんが、北林さんと劇団民藝を設立した縁もあり、寺尾本人も幼いころから親交があったという。「生まれる前から知り合いみたいな感じ。同業者という感覚もないですね」と寺尾。映画『阿弥陀堂だより』での撮影を振り返り、「わがままばっかりで、本当にマイペースな方だった」と思い出を語る口調には、偉大なる大女優に対する寺尾の尊敬と愛情がにじみ出ていた。もちろん、北林さんの死は寺尾にも大きなショックだったが、「こんな言い方、不謹慎かもしれないけど、『あぁ、仲間のところに行ったのかなぁ』って。きっと天国でもお芝居しているのかな」と故人をしのんだ。

 今回、寺尾は映画『さまよう刃』でのシリアスな演技が高く評価され、同賞の主演男優賞を受賞したが、「複雑な心境。これまでで一番腹立たしい思いを残した作品で、もっと面白い作品にできたはずだった」とまさかの告白。「現場でもっと意見を交換したかったが、僕がケンカの仕方が下手なのか、若い人たちが逃げてしまうのか……」と歯がゆい思いを語った。北林さんの死を受けて、今の撮影現場にも、世代を超えた意見交換や交流が必要だと感じて、こうした発言が飛び出したのかもしれない。

第19回日本映画批評家大賞の主な受賞結果は以下の通り。
作品賞:『風が強く吹いている』(大森寿美男監督)
主演男優賞:寺尾聰(『さまよう刃』)
主演女優賞:薬師丸ひろ子(『今度は愛妻家』)
助演男優賞:石橋蓮司(『今度は愛妻家』)
助演女優賞:八千草薫(『ディア・ドクター』)
監督賞:根岸吉太郎(『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』)
新人男優賞:AKIRA(『ちゃんと伝える』)、岡田将生(『ホノカアボーイ』)
新人女優賞:満島ひかり(『愛のむきだし』)
新人監督賞:板尾創路(『板尾創路の脱獄王』)、大森寿美男(『風が強く吹いている』)

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