史上最低の映画『トロル2/悪魔の森』がドキュメンタリー映画に!こっちは意外に高評価!
史上最低の映画との烙印(らくいん)を押された1990年に制作された映画『トロル2/悪魔の森』を、ドキュメンタリー映画化した映画『ベスト・ワースト・ムービー / Best Worst Movie』(原題)が制作された。その名の通り、「一番最悪な映画」との呼び声高い映画『トロル2/悪魔の森』だが、後にファンが増え、カルト的人気を博していた。
映画『ベスト・ワースト・ムービー / Best Worst Movie』のメガホンを取ったのは、映画『トロル2/悪魔の森』に子役として出演していたマイケル・スティーヴンソン。共に映画『トロル2/悪魔の森』に出演したジョージ・ハーディと、本作について語ってくれた。
映画『トロル2/悪魔の森』は、夏期休暇に家族で訪れた村が、人間を餌食にする伝説の悪魔ゴブリンの村だったというストーリー。悪の精トロルに乗り移られた妹を救うため、兄が奮闘するというストーリーの映画『トロル』の続編であるにもかかわらず、肝心の「トロル」が登場しないという突っ込みどころ満載の映画だった。
スティーヴンソン監督は、「英語を話せなかったイタリア人監督ドレイク・フロイドの演出に、ユタ州の小さな街に住んでいたろくに演技もできない僕たち俳優の映画だからね……とにかくヒドかったよ!」と映画『トロル2/悪魔の森』に出演したことさえ恥ずかしいと思っていたと明かした。現在、歯医者をしているというジョージの方も、「あの当時のポスターや写真は、恥ずかしくてどこにも貼れない」と話した。しかし、キャストメンバーだけで集まった小さな上映会で当時を懐かしみ、MySpaceに寄せられるファンの声に気付いたことで、史上最低の映画に出演していたことを映画にしてやろうと思ったらしい。
そんな出演者にまで酷評されてしまった映画『トロル2/悪魔の森』でメガホンを取ったドレイク・フロイド監督だが、スティーヴンソン監督の映画『ベスト・ワースト・ムービー / Best Worst Movie』を観て、「素晴らしい!気に入ったよ!」と手紙をくれたそうだ。
数多くの映画祭に出展し、高い評価を受けてきた映画『ベスト・ワースト・ムービー / Best Worst Movie』は、史上最低の映画さえも愛する映画ファンのための一本になっている。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)