俳優業を中断して、仏教の僧侶に!タイのアクションスターのトニー・ジャー
映画『マッハ!』『ダブルマックス』などでおなじみのタイのアクションスター、トニー・ジャーが、俳優業を中断して、仏教の僧侶になったことがわかった。トニーは先週の金曜、自身の出身地でもあるタイのスリン県の寺で、象に乗り、頭をそり、正式に修道生活に入るための儀式を行ったそうだ。
実はトニーはこれまでにもさまざまにメディアをにぎわせてきた人物。映画『マッハ!』の成功の後、映画『マッハ!弐』のメガホンを取りたいとプラッチャヤー・ピンゲーオ監督と対立。結局、監督をすることになったのはいいのだが、スケジュールの大幅な遅れ、予算の増大とプレッシャーが重なったのか、なんと約2か月間も失踪(しっそう)してしまったのだ。そのとき、彼はカンボジアで黒魔術を学んでいたとされているが、詳細はいまだわかっていない。
その後、タイのテレビ番組に出演したトニーは涙ながらに『マッハ!弐』の完成を約束。この一件は落着したかに見えたが、彼は所属事務所のサハモンコン・フィルムにいくつかの要求を提出したことで、サハモンコン・フィルムが雇ったマフィア風の男たちに車に連れ込まれ、身の危険を感じるように。
警察を通して行ったサハモンコン・フィルムの社長シア・ジャンとの会合で、制作費のかかりすぎた『マッハ!弐』の興行収入をアップさせるために、この作品が2作に分けられることが決まった。しかし、2作目の『マッハ!弐』は興行的に成功を収めたものの、3作目は、急な脚本の修正や監督に起用されたパンナー・リットクライの演出のためか、トニー・ジャーの作品で初めて、タイのボックスオフィスでトップにならなかった。
しかし、この2作品を撮り終えたトニーは、莫大(ばくだい)な制作費による借金の返済も終えた様子。この一連の事件から察するに、トニーが、マフィアのような抑圧を強いるサハモンコン・フィルムと今後はかかわりたくないという思いが、彼の僧侶になる決断に影響しているのかもしれない。トニーが今後永久的に僧侶として修道生活を続けるかどうかはわからず、あと2年残っているサハモンコン・フィルムとの契約が切れるまでの逃げ場としているのでは? という声もあるそうだ。