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スリラーの進化形とは?シチュエーション・スリラーの面白さはココにあり!

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杉本彩、石橋凌も出演したオムニバス・スリラー『デス・ルーム』
杉本彩、石橋凌も出演したオムニバス・スリラー『デス・ルーム』 - (c)2006 Trapped Ashes,LLC.All Rights Reserved.

 近年、映画『ソウ』シリーズをはじめ、数多くの話題作を生み出している「シチュエーション・スリラー」というジャンルは、閉ざされた空間ならではのアイデアと、極限状態に追い込まれた人間たちの心理をミックスさせた、いわばスリラーの進化形といえる。そこで、密室や乗り物、孤島などを舞台に、登場人物が恐怖と向き合う姿がスリリングに描かれるシチュエーション・スリラーの魅力を、さらに掘り下げてみた。

『パラノーマル・アクティビティ』場面写真

 まず何よりも大切なのは、やはり物語のシチュエーションだ。密室や特殊な仕掛けが施された空間や、何者かに拘束され逃げ場を失った状態は、シチュエーション・スリラーの定番。代表的な作品として、毎回、奇抜なシチュエーションでファンを楽しませる『ソウ』シリーズや、さまざまなワナが仕掛けられた立方体からの脱出劇を描いた映画『CUBE』、カンヌ国際映画祭で上映され、議論を呼んだ衝撃作『変態村』などが挙げられる。自宅で起こる怪奇現象をホームビデオで撮影した映画『パラノーマル・アクティビティ』の大ヒットも記憶に新しいところだ。

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 シチュエーションが整ったら、今度はそこに閉じ込められた人間の心理に注目したい。人間、ピンチに追い込まれたときにこそ、その本性が暴かれるというもの。『ソウ』シリーズをはじめ、映画『es [エス]』、オムニバス・スリラー映画『デス・ルーム』など、極限状態の中、あらぬ動揺や疑心暗鬼が渦巻き、やがて言動が怪しくなり、ついには「自分だけは生き残りたい」という本能が目覚めてしまう。

 また、人間の心理を鋭く掘り下げるシチュエーション・スリラーに必須なのが、キャストの演技力だ。単なる恐怖の表現にとどまらず、ポーカーフェイスの下に隠された人間のエゴや弱さ、そして恐ろしさをにおわせる演技は、名優たちの腕の見せどころといえる。その頂点といえるのが、映画『羊たちの沈黙』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンス。刑務所の独房という極限のシチュエーションに置かれながら、時に人々を翻弄(ほんろう)し、あざ笑うレクター博士の存在は作品そのものをA級へと押し上げた。

 映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤールは、記憶喪失に陥った「脳内」を舞台にした異色作『ブラック・ボックス ~記憶の罠~』で、女性の持つ二面性を大胆に演じ、新境地を開拓した。また、マット・デイモンベン・アフレックのコンビは、若手を育成すべく、密室で人間とモンスターが戦うシチュエーション・パニック映画『The FEAST/ザ・フィースト』をプロデュースしている。

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 そして最近では、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『シャッター アイランド』や、海外ドラマ「ハーパーズ・アイランド 惨劇の島」といった、孤島を舞台に人々が心理的なサバイバルを繰り広げる作品が人気を集めている。予断を許さない展開に手に汗握りながら、「自分だったらどうするか?」と自問自答してしまうのが、シチュエーション・スリラーの醍醐味(だいごみ)といえるだろう。

 限られた空間を舞台にしているからこそ、無限の可能性が広がるシチュエーション・スリラー。夏本番を迎えて、「怖い映画で涼みたい、けどホラー映画は苦手……」という人に、ぜひチャレンジしてほしい。

『デス・ルーム』は7月17日深夜0:00よりWOWOWにて放送。

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