ロマン・ポランスキー監督、釈放!米国当局からの身柄引き渡しはスイス当局が拒否
スイス司法警察に、少女への淫行(いんこう)事件の容疑のために昨年の9月から同国に軟禁状態にあった巨匠ロマン・ポランスキー監督がついに釈放され、自由の身となった。米国当局から要請されていた身柄引き渡しをスイス当局が拒否したことを発表した、とハリウッド・リポーターが伝えた。
ポランスキー監督がスイスで軟禁状態となった経緯は、1977年にまでさかのぼる。俳優のジャック・ニコルソン邸で13歳の少女と性行為を行った容疑が掛けられ、法的強姦罪など6つの罪に問われた。しかし、判決が出る前にアメリカから出国したため現在は逃亡者とみなされている。アメリカを出国して以来、フランスに移住し、逮捕を恐れて一度もアメリカへは戻っていなかった。しかし昨年の9月、チューリッヒ映画祭で催された生涯功労賞の授与式に出席するためにスイスへ訪れた際に、30年以上の月日を経て身柄を拘束された。
また妻で女優のエマニュエル・セニエの妹のマティルド・セニエがParisien新聞社に話したところによると、今回の釈放はフランスのニコラ・サルコジ大統領の影響もあったのではないかと伝えられている。エマニュエルは大統領の助けは、釈放にとても効果的だったと感謝のコメントを送っている。サルコジ大統領夫人であり歌手のカーラ・ブルーニはパリの芸術コミュニティーでポランスキー監督夫妻ともかかわりが深く、夫人が大統領に働きかけたのではないかとNYDailyNews.comは推測している。
ポランスキー監督は軟禁中に開催された第60回ベルリン国際映画祭では、出品した映画『ザ・ゴースト・ライター/The Ghost Writer』(原題)が銀熊賞の最優秀監督賞を受賞している。