寺島しのぶ、仏人の夫の前で感極まって涙!銀熊賞をもたらした若松監督に「死ぬまでついていく」と宣言!!
14日、テアトル新宿で映画『キャタピラー』初日舞台あいさつが行われ、寺島しのぶ、大西信満、篠原勝之、粕谷佳五、増田恵美、そして若松孝二監督が登壇した。
沖縄ではひめゆり学徒隊が集団自死した6月19日、広島では原爆が投下された8月6日、そして長崎も原爆が投下された8月9日と、若松監督の反戦への思いから、第二次世界大戦にかかわる日ごとに上映されては反響を呼んできた本作。そして終戦記念日の前日、日本がポツダム宣言を受諾し、終戦が決定した14日に初日を迎えることになった。
寺島にとっては、第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞して以来、ようやく迎えた日本での初日ということで、その瞳には涙がジワリ。「これだけ思い入れのある映画に出られたことは一生の宝です。朝から大勢の方が観に来てくださって、感謝の気持ちでいっぱいです」と時折り言葉を詰まらせながらも、感極まった様子だった。一方、四股を失った夫役を熱演した大西も「8月14日に公開されると聞いて、時間があきましたが、いよいよ皆さんに観てもらえることになって嬉しく思っています」と晴れ晴れとした表情だった。
舞台あいさつ後、報道陣の取材を受けた寺島は「これほど自分の映画を観てもらいたいと思える映画にはなかなか巡りあわないので、お客さんが入っているのを見たら胸が熱くなって」と涙の理由を説明。そして満席の客席には寺島の夫で、フランス人アートディレクターのローラン・グナシア氏とその娘さんの姿もあった。ヨーロッパ人である彼にとって、ベルリン国際映画祭の重みがどれだけすごいことか分かっていると前置きした上で寺島は「そういう奥さんを持って幸せだと。わたしのベストパフォーマンスだと言っていただきました」とさりげなくおのろけ。そして寺島に銀熊賞をもたらした若松監督に「次回作は通行人でも何でもやります。死ぬまでついていこうと思います」とぞっこんの様子だった。
本作は、反権力を標榜(ひょうぼう)し、ピンク映画、一般映画、テレビ作品などあらゆるジャンルを超越して問題作を発表し続ける映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』の若松孝二監督が、戦争の愚かさと悲しみを描いた反戦ドラマ。太平洋戦争のさなかに四肢を失い、顔は焼けただれた姿で帰還した傷病兵・久蔵(大西)とその妻・シゲ子(寺島)の姿を描きだす。
映画『キャタピラー』はテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中