史上最大規模!中国製ディザスター映画は破格の製作費!『超強台風』日本に上陸
中国製のディザスター・ムービーとしては当時最高額を投じたパニック映画『超強台風』がいよいよ日本で公開される。CGには頼らず、精巧に作り上げられたミニチュアワークを駆使し、あくまでも本物にこだわり、中国大陸を襲った台風の猛威を描いた、本格派特撮ディザスター・ムービーだ。
ローランド・エメリッヒ監督のディザスター映画『2010』場面写真
本作の製作費は約6億円(5,000万元)となっており、100億円単位で予算を組むハリウッド映画を比較すると一段も二段も落ちることは否めないが、これは2008年当時、中国製ディザスター・ムービーとしては破格の製作費。中国大陸を襲った台風の猛威をCGで描くのではなく、あえてミニチュアワークや本物の台風の映像を使ったのも、「昨今のVFXはCGに頼りすぎている。わたしは実写こそがもっと観客に衝撃を与えることができると思う」という本作でメガホンを取ったフォン・シャオニン監督の信念ゆえだ。(1元=12円計算)
波に押し流される自動車はミニチュアを用い、時には実際の海に小道具を持ち込んで撮影、劇中で人が吹き飛ばされるシーンでは空中に張ったロープに俳優がつかまって効果を演出するなど、王道ともいえる手づくり感は、すべての映画づくりの基本。安易にCGを使わなかったため、俳優やスタッフには通常の撮影以上の負担がかかったが、そうして完成した映像は、フルCGで作り上げたハリウッド大作にも劣らないと製作陣も胸を張っている。
ディザスター・ムービーといえば、ローランド・エメリッヒ監督の映画『2012』や『デイ・アフター・トゥモロー』といった、地球規模の災害を描いたスケール感が魅力。それゆえフルCGに頼ってしまう傾向もあるが、特撮の80パーセントが実写という本作はハリウッド大作へのアンチテーゼであり、アジアもハリウッドに負けない特撮映画を作ることができるという宣戦布告でもある。
本国での上映後には観客から、特殊効果の費用は莫大なものになったのではないかと心配されたというエピソードもあるほど、圧倒的な映像をCG抜きで作り出した本作。北京五輪や現在開催中の上海万博など経済成長著しい中国の勢いは国際競争の中で留まるところを知らないが、本作もそんな中国の、新たな成長を見せつける作品だ。
映画『超強台風』は9月25日より新宿ミラノほか全国順次公開