サメに襲われ片腕でサーフィンを続ける女性も!本格的サーフィンドキュメンタリー
映画『ステップ・イントゥ・リキッド』などのサーフィン映画を作り続けるデイナ・ブラウン監督が、映画『HIGH WATER』について語ってくれた。同作は、毎年冬に開催される三つの大会を軸に、ハワイ・オアフ島、ノースショアのサーフィン・コミュニティーを描いた作品だ。
ブラウン監督は、名作の誉れ高いサーフィン映画『終りなき夏』(原題は『The Endless Summer』)のブルース・ブラウン監督の息子で、自らもサーフィン映画を撮り続けていた。だが、映画『ステップ・イントゥ・リキッド』以降は、もうサーフィン映画は作らないと思っていたらしい。「でも、ロードレースを扱った映画『ダスト・トゥ・グローリー』のときに、一つの場所でいろいろなストーリーを描くことができた。それで、ひょっとしたら、サーフィンも一つの場所を中心にして描くことができるんじゃないかと思ったんだ」と本作を作ることになったきっかけを教えてくれた。
本作では、サメに襲われ、片腕を失ってもサーフィンを続ける女性、ベサニー・ハミルトンがサーフィンをする場面も収められているが、彼女についてブラウン監督は「話には聞いていたけど、実際に会ったときには驚いたね。彼女は事故から6週間後にはもうサーフィンをしていたらしいけど、彼女の強い意志、そして彼女を支える家族もすごいと思ったね」と心底、感心しているようだった。
ベサニーだけでなく、以前と比べ、サーフィンをやる女性は増えたという。「80年代の前半くらいまでは、すごく珍しい存在だったね。特に、ノースショアみたいな難所にはまったくいなかったよ。それが、今ではあっちこっちに女性がいる。男性ホルモンだらけの環境でサーフィンやるよりは、ずっと良いよ(笑)」と笑っていた。
父親と同じく、サーフィン映画ばかりを撮るブラウン監督の体内には、サーフィンの血が流れているに違いない。父親の影響については「子どものころは、楽しそうだから父親に付いていったけど、だんだんと感謝の念が芽生えてきた気がする」と語ったブラウン監督だけに、これからもサーフィン映画を撮り続ける可能性は高そうだ。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)