「ヌーヴェルヴァーグ」の旗手クロード・シャブロル監督が80歳で死亡
1950年代に始まった「ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)」の旗手として、長い間フランス映画界を支えてきた監督/脚本家、そして俳優も務めたことのあるクロード・シャブロルが、12日早朝パリで亡くなったことがハリウッド・リポーター紙によって明らかになった。
80歳で亡くなったシャブロルは、フランスの映画誌「カイエ・デュ・シネマ」で批評を書き始めたことがきっかけで映画界に入る。そして、その時代に同じく批評を執筆していたジャン=リュック・ゴダール、ジャック・リヴェット、さらに兵役を終えて帰国したフランソワ・トリュフォーと出会い、彼らと共に「ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)」という映画史に残る一時代を築き上げた。
彼の代表作には、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した『いとこ同志』、デビュー作の『美しきセルジュ』、さらに物議を醸し出した第2次世界大戦中を舞台に当時違法とされていた堕胎を手伝った女性を描いた『主婦マリーがしたこと』などがあり、生涯70本以上の映画作品を残している。
今のところ、彼の死因は明らかにされていないが、2009年の作品『ベラミー / Bellamy』(日本未公開)まで精力的に映画を作り上げてきた。フランスは、今年1月にも巨匠エリック・ロメールを失い、また新たにフランス映画界の至宝を失うこととなった。ご冥福をお祈りしたい。