『ウォール街』続編、『ウォール・ストリート』をがん闘病中のマイケル・ダグラスが元気にアピール!記者会見を開催
前作『ウォール街』で、マイケル・ダグラスがアカデミー賞主演男優賞を受賞してから20年以上の月日が流れ、遂に待望の続編『ウォール・ストリート』が制作された。そして、その新作『ウォール・ストリート』(原題: Wall Street : Money Never Sleeps)について、出演者のマイケル・ダグラス、スーザン・サランドン、ジョシュ・ブローリン、メガホンを取ったオリヴァー・ストーン監督が記者会見を開いた。
本作は、世界経済が危機にひんする中、妻と離婚し、娘ウィニー(キャリー・マリガン)とも絶縁状態になっている投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が出所し、ウィニーの恋人で若きトレーダーのジェイク(シャイア・ラブーフ)に、投資を教えていくというストーリー。
会見では、現在、がん治療中のマイケル・ダグラスが、「不運ではあるが、今はできるだけ楽観的に考えている。化学治療をしているから、行動範囲は制限されてしまうが、周りの皆がよくしてくれるんだ。人生の新たなステージに立ったと思っている」と力強い発言をしてくれた。
本作については、ストーン監督が、「今作も前作と同じように人を描くつもりで制作したんだ。なぜなら、愛、信頼、強欲は前作を制作した1980年代と変わっていないと思っているから。2008年のリーマン・ブラザーズの破綻以来、経済問題に関してあらゆるドキュメンタリーが製作され、多くの本が執筆されたが、この映画では、あくまでそれは背景にあるだけ。今回は、アメリカが必要以上に欲にまみれていることを描きたかったんだ」と現在の経済状況も反映しながら、登場人物一人一人をしっかりと描いた作品になっていることを強調した。
そのほかに、父親も有名な俳優(ジェームズ・ブローリン)であるジョシュが、子ども時代は父の収入が安定していなかったために、一戸建ての家に住んだり、友人に居候になったりといった生活をしていたことを明かし、そのときどきの現状を見抜き、対応してきたと語った。そして、映画の中の父・ゴードンと娘・ウィニーの関係も、娘が父をよく観察しているから成り立っているのだと付け加えた。一方、ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)の母親を演じたスーザンは「今回のわたしの役は、突然出世する息子が、どういう環境で育ったのかを観客にしっかりと把握させる重要な役になっているの」と本作での自身の役割を自信たっぷりに語った。
前作『ウォール街』は、現在も語り継がれる名作。『ウォール・ストリート』の日本公開は来年1月28日と少し先になるが、この期間を前作の復習に充ててみるのもよいかもしれない。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)