日本映画の受賞は12年ぶり!サンセバスチャン映画祭で河瀬直美監督が国際批評家連盟賞を受賞!
スペインで開催中の第58回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門にドキュメンタリー映画『玄牝 -げんぴん-』で参加している河瀬直美監督が、国際批評家連盟賞を受賞した。同映画祭では1998年の第46回大会で、是枝裕和監督が『ワンダフルライフ』で同賞を受賞しており、日本映画の受賞は12年ぶりとなる。
審査委員長のスウェーデンのジャーナリスト、ジム・ルンムホルドは選考理由について「私たち人間のすべてに深くかかわるテーマ性がある。審査員は女性2人、男性3人だったのだが、女性だけでなく男性にもアピール出来る作品である」と語った。河瀬監督は「国際批評家連盟賞は、作家としていただくのに非常にうれしい賞です。クオリティーを重視してくれたと思う。実はこの賞をいただくのは、『萌の朱雀』がロッテルダム国際映画祭に参加したのをはじめ5回目(笑)。いろんな国のジャーナリストが集まって選んでくれた賞なので、映画にかかわっている方に選ばれたというのは、モノを作っていく人間として非常にうれしいです。今回はドキュメンタリーでの参加なので、男優賞、女優賞、脚本賞の対象にならずコンペとは外れた位置にあった作品かもしれませんが、映画の世界観は観た方に深く入っていったのだと思います」と笑顔を見せた。
映画『玄牝 -げんぴん-』は自然分娩を推奨している吉村医院(愛知県岡崎市)の吉村正院長や妊婦を追いながら、現代の出産事情を映し出すドキュメンタリー。なお河瀬監督は早くも新作『朱花(はねづ)の月』を撮り終え、編集作業を行っている。(取材・文:中山治美)