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戦争に負けた日本人の罪の意識が『七人の侍』を名作に!『フォー・ウェディング』マイク・ニューウェル監督激白!

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熱く語るマイク・ニューウェル監督
熱く語るマイク・ニューウェル監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間10月5日夜、ロンドンで開催中の第18回レインダンス映画祭でマイク・ニューウェル監督のトークショーが開催された。影響を受けた作品に日本映画も挙がるなど、その幅広い監督作の秘密が明かされた。

 トークショーはアレクサンダー・マッケンドリック・メモリアル・レクチャーとして行われた。マッケンドリックは、40年代から60年代にかけて映画を作ったスコットランド系のアメリカ人監督だ。イギリス、アメリカ両方での活躍や、良質のコメディを作っていることなど、ニューウェル監督との共通点も多い。

 ニューウェル監督は、その名を一躍有名にした『フォー・ウェディング』のようなロマンチック・コメディから、ジョニー・デップアル・パチーノの共演も話題を呼んだ犯罪ドラマ『フェイク』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』や『プリンス・オブ・ペルシャ』のような娯楽大作まで、幅広い作品群で知られる。その監督を形作ったのが、日本映画を含むさまざまなジャンルの映画だったようだ。

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 「戦争に勝つというのは健全なことじゃない。それ以降、勝った方にはろくな映画がないじゃないか。負けた側の視点の映画、たとえば『七人の侍』には戦争の罪の意識、戦う階級にある者の罪の意識がある。そこには農民たちの生活があるんだ」と大きな観点から映画を語る。「11歳のときに『日本人の勲章』という映画を観たんだが、日本人であるということだけで殺される男が出てくる。50年代に作られた西部劇だったが、映画には、ちゃんとその時代のシリアスな問題が含まれるんだ。たとえば『ゴールド・ディガーズ』という映画があるが、ゴージャスな女の子たちが出てくるだけの映画のようだが、あれは大恐慌についての映画でもある。100%の娯楽作も、100%シリアスなのも有り得ない」と映画論を披露。

 トークの後には1992年の監督作『白馬の伝説』が上映された。白馬と少年の友情が主に描かれる本作、ニューウェル監督の話を聞いた後では、差別を受けるキャラバン隊の人々や、アルコール中毒の父親に視点を置いて、時代背景を考えながら観た人もいたに違いない。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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