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松本人志『しんぼる』惜しくも賞逃す!ロンドン・レインダンス映画祭海外最高賞は100万人の不明者がいるイラクを描いた作品

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受賞に歓喜するイギリス人プロデューサー、イザベル・ステッド
受賞に歓喜するイギリス人プロデューサー、イザベル・ステッド - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間10月10日、ロンドンで開催中の第18回レインダンス映画祭で各賞発表と授賞式が行われた。海外長編作品中の最高賞となるベスト・インターナショナル作品賞は、ムハンマド・アル=ダラージ監督のイラク映画『サン・オブ・バビロン/Son of Babylon』(原題)が獲得した。ノミネートされていた松本人志監督『しんぼる』は惜しくも賞を逃した。欠席のアル=ダラージ監督に代わり登壇し賞を受けたイギリス人プロデューサー、イザベル・ステッドに式終了直後の感想を聞いた。

 本作は、イラク戦争から戻らぬ父を探す少年と祖母の旅を描いた作品。刑務所、墓場、荒野に転がる頭がい骨の中にまで、父を、息子を探さなくてはならない2人の姿が胸を打つ。すでにアムネスティ国際映画賞や平和映画賞も受賞しているが「私たちはキャンペーンも続けているの。イラクでは100万人が行方不明と言われているけれど、実際にはもっと多いと思う。受賞は、イラクの問題に目を向けさせることにもつながるのがうれしいわ」と、より広くイラクの現状を伝えられることに意義を感じているようだ。「監督にも知らせなくっちゃ」と早速電話を取り出した。

 ほかの主な受賞作は、ベスト・デビュー作品賞がロシア映画『ザ・ストーリー・オブ・マイ・スペース/ The Story of My Space』(原題)、ベスト・ドキュメンタリー作品賞はカナダ映画『サウンズ・ライク・ア・レボリューション/Sounds Like A Revolution』(原題)とアメリカ/ニュージーランド映画『ゼア・ワンス・ワズ・アン・アイランド/There Once Was An Island』(原題)が分け合った。ベスト・イギリス作品賞は『ファイブ・ドーターズ/Five Daughters』(原題)、ベスト・マイクロ・バジェット作品賞はメキシコ映画『マッチョ/Macho』(原題)となった。

 今井雅之も出演しているアメリカ映画『トレジャー・オブ・ザ・ブラック・ジャガー/Treasure of the Black Jaguar』(原題)は来春イギリスでの一般公開が約束されるディストリビューション・アワードを獲得した。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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