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マイク・リー監督、イスラエル政府の法案に反対し、エルサレム訪問を取りやめる

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エルサレム訪問を取りやめたマイク・リー監督
エルサレム訪問を取りやめたマイク・リー監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 イギリスの巨匠監督、マイク・リー監督が、予定していたエルサレムの映像学校への訪問を取りやめた。リー監督は、エルサレムの映像学校「サム・スピーゲル映画&テレビジョン学校」で開催される、巨匠を招くプログラムに出席する予定だったが、イスラエル政府が発表した「民主ユダヤ国家」忠誠宣誓の法案に強い反発を示し、学校側にイベント参加をキャンセルする手紙を書いた。

 イスラエル政府が閣議決定した法案では、新しくイスラエルの国籍を取得しようとする人は「ユダヤと民主主義への忠実」を誓わなければならない。イスラエルにはユダヤ人のほかにイスラム教徒やキリスト教徒が多数暮らしており、法案の排他的な性質には国内外から反発が強まっている。現在もイスラエルでは、イスラム教徒が多く暮らすパレスチナ自治区ガザの封じこめが続いており、今年5月には、ガザへ向かっていた支援船をイスラエル軍が襲撃し、支援団体のトルコ人9名が死亡する事件も起きている。こうしたイスラエルの強硬姿勢に反発し、7月にはメグ・ライアンダスティン・ホフマンがイスラエル映画祭への出席を取りやめた。

 イスラエル政府の政策について、「常に不安を感じていた」というリー監督。学校へ送った手紙には「学校側の誠実で熱心なお誘いに心ひかれ、説得されていた。みなさんの気持ちを考えると心が痛むが、私はエルサレムを訪れたくないし、訪れることはできない」とコメント。「イスラエル船による攻撃が起きてから、イスラエル政府は“悪い”状態から“最悪”へと変わってしまった。箇条書きにはしたくないが……ヨルダン川西岸では違法な住居建設が続き、そして今度は宣誓法案だ」と綴っている。リー監督の手紙には学校側も返事を出し、「我々は、リー監督がイスラエル政府の方針に鋭い反論を語る場として記者会見を開くことに合意していた。エルサレムのような土地であなたが話す言葉は、大きな反響となる。心からの声を届けることが出来るし、その声は一般の人々の気持ちや意見に直接訴えかけるはず。この現実を少しでも変えることができ、未来を開くことが出来るかもしれない。しかしあなたは、距離を置くことを選んでしまった」と遺憾の意を表している。

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