お下品グループ強し!『ジャッカス3D』圧勝!熟年オールスター組『レッド』を負かす! -10月18日版
全米ボックスオフィス考
究極の下品さが大人気の映画『ジャッカス』シリーズ第3弾映画『ジャッカス3D / Jackass 3-D』(原題)が、オールスターキャストの映画『RED/レッド』を大差で負かして全米ナンバーワン映画の座に輝いた。
シリーズ3作目は、その名のとおり3D仕様。画面からまさに飛び出しあふれ出る汚さと下品さでアメリカの心をつかみ(?!)、歴代の秋季(9月から10月)公開作品においてデビュー週末興行収入の最高記録となる5,035万ドル(約42億7,975万円)をたたき出した。(1ドル85円計算)
ジョニー・ノックスヴィルをはじめとするシリーズおなじみの“ジャッカス”こと悪ふざけ大好き軍団が、今回もありとあらゆる下品で汚いゲームに挑戦するこの新作は、3,081館・推定4,600スクリーンという巨大規模のロードショーとして封切られ、1、2作目のオープニング興行収入を大きく上回る成績を記録した。週末チケット・セールスの90パーセントが3D上映館からの売り上げとなっており、猫もしゃくしも3D映画する昨今のハリウッドにおいてこの『ジャッカス』シリーズの3D化成功例は、どういった映画を飛び出す映画にするべきかを再考する絶好の機会であるといえよう。
今週第2位は、残念ながら王座は逃したものの3,255館・推定4,100スクリーンで公開され2,176万ドル(約18億4,960万円)の成績を上げた『RED/レッド』。ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレンというスターたちが勢ぞろいしたアクション・コメディーで、配給サミット・エンターテインメントの観客調査によると観に来ていた観客の53パーセントは男性で、全体の58パーセントは35歳以上と発表されている。
2ランクダウンで今週第3位にランキングしたのは、映画『ソーシャル・ネットワーク』で1,032万ドル(8億7,720万円)。公開後17日で総合興行収入は6,244万ドル(約53億740万円)に達した。
第4位は、今週のトップ10の中で一番降下率が低かった映画『セクレタリアト / Secretariat』(原題)で932万ドル(約7億9,220万円)の売り上げ。降下率は26.6パーセントで公開後10日目にして2,733万ドル(約23億2,305万円)の総合収入を記録しており、今週の降下率が何らかの兆候であるとすれば『セクレタリアト / Secretariat』(原題)は、息の長さでジワジワと勝負する可能性ありだ。
第5位は、辛うじて圏外転落をまぬがれた映画『ライフ・アズ・ウィー・ノウ・イット / Life as We Know It』(原題)で896万ドル(約7億6,160万円)。公開後10日にして総合興行収入は2,862万ドル(約24億3,270万円)となっている。
次回チャート予想に移るが、今週末のラインナップがこれまたかなり寂しい。ライバルらしいライバルが見当たらない次回のチャート争いでは、ひょっとすると今週1位だった『ジャッカス3D / Jackass 3-D』(原題)が2週連続第1位ということもあり得る!
『ジャッカス3D / Jackass 3-D』(原題)に立ち向かう作品があるとすれば、それは今週末唯一の大型ロードショー映画『パラノーマル・アクティビティ2』である。
この映画のオリジナルである『パラノーマル・アクティビティ』は去年、無名監督が低予算で作った作品にもかかわらず、偶然スティーヴン・スピルバーグ監督が観て怖がったといううわさが広がった後、ちまたで大評判になり、テレビの映画予告CMでは試写会会場の観客たちが映画の恐ろしさに飛び上がる隠しカメラ映像を使用するという、「とにかくコワい!」という口コミが功を奏し、空前の大ヒットを記録したホラー映画である。
1作目の成功以来、『パラノーマル・アクティビティ』というタイトル自体がブランドとして成立したため、そのタイトルが約束する恐怖に期待した映画ファンがシリーズ2作目を観に劇場に足を運ぶことが予想される。また、この週末はホラーかき入れどきとなるハロウィーンの1週間前ということもあり、関係者たちの『パラノーマル・アクティビティ2』への期待がますます高まる。ちなみに、日本版の続編映画『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』は、11月20日から、『パラノーマル・アクティビティ2』は来年の2月に日本公開予定だ。(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)