ジャネット・ジャクソン雑誌の編集者に!、自暴自棄、強姦、流産など8人の黒人女性描く
監督/脚本家/俳優として活躍しているタイラー・ペリーが、舞台劇を映画化した新作『フォー・カラード・ガールズ / For Colored Girls』(原題)について、出演者のジャネット・ジャクソン、タンディ・ニュートン、ケリー・ワシントン、キンバリー・エリス、フィリシア・ラシャドらと共に語った。
同作は、愛、自暴自棄、強姦、流産など8人の黒人女性の生き様を描いた作品で、黒人作家ヌトザケ・シャンゲの原作「死ぬことを考えた黒い女たちのために」を映画化した作品だ。
原作は1982年に出版されているため、今日の設定である映画を製作するうえで、困難だった点についてタイラー・ペリー監督は「実は最初にウィリアム・モリス・エージェンシー(タレント・エージェンシー)から、この原作の映画化の企画を持ち込まれたときに、ノーと返事をしていて、さらにウーピー・ゴールドバーグからもブロードウェイのリバイバルをこの原作でやらないかと持ち込まれたときにも、ノーと答えていたんだ。それから数回、僕のもとにこの原作の映画化の企画が持ち込まれ、これは何か運命的なものがあるなと感じて、ようやく映画化する気になったんだ」とかなり前から依頼されていたようだ。そして困難だった点については「この原作を映画化するのに多少恐怖を感じていた。なぜならこの原作は、黒人女性だけでなく、女性一般を描いているからなんだ。ただ、その中で最も重要なのは、彼女たち(キャラクター8人)がそれぞれ自分の中に神を見いだし、自分たちを再び愛することができるかということだ」とこの映画の主題の普遍性は、いつの時代でも同じであるとタイラーは語った。
ジャネット・ジャクソンは雑誌の編集者役を演じているが、演じる際に実在の人物をモデルにしたのかとの質問に「実在の人物をモデルにしていないけれど、キャサリン・ヘプバーン主演の映画『アダム氏とマダム』でキャサリンが演じた役を参考にして演じていたの。ただ、ほとんどのキャラクターの詳細はタイラーの脚本に書かれていたから、最終的にはこの役にのめり込んで、それに感情移入できるかが勝負だったわ」と笑顔でジャネットが答えた。
黒人作家ヌトザケ・シャンゲが執筆した原作について「撮影中の合間にトレイラーに戻って、他の出演者と共にこの原作について、これらのキャラクターが自分達とどのような共通点があるか話し合ったの。そしてある日、みんなが共通点に達することができたの。それは、この原作で作家ヌトザケ・シャンゲが言及しているカラード・ガールズというのは、人の肌の色を指しているわけではなく、人の心、精神、感情、体験、理解、ムード、欠乏点を指しているの。これは、原作者が女性としての自らの研究を通して成長した過程でもあるのよ。そしてその結論は、我々が女性を正しく理解できれば、社会が変わるということであり、さらに女性たち自身も自分達を正しく理解できれば、社会も変わるということでもあるのよ」と黒人名女優フィリシア・ラシャドが重要な観点を語った。
上記の出演者のほかに、ロレッタ・デヴァインやウーピー・ゴールドバーグらも参加していて、撮影時は個性的な女優たちの話が聞けてとても楽しかったとケリー・ワシントンは語っていた。この作品は、女性に捧げる秀作と言えそうだ。