巨額の負債を抱える映画スタジオMGM、ライオンズ・ゲートとは合併せずスパイグラス社の傘下に
40億ドル(約3200億円)もの負債を抱えているといわれる映画スタジオ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)が、破産法を申請して債務を減らしていく計画について、債権者の了承を得たことを発表した。アメリカの連邦破産法第11条は、日本で言う会社更生法にあたり、企業が倒産後に新しい経営体制のもとで事業を継続し、債務を減らして経営を再建することをを目的としている。
MGMの新体制については、株主である投資家のカール・アイカーン氏が他のMGM債務者たちの債権を買収してライオンズ・ゲート社との合併を進める動きを見せていたが、MGMはライオンズ・ゲートとは合併せず、今後、MGMの経営を担うのはスパイグラス・エンターテインメント社となる。新しい経営体制の下では、MGMが1年に製作する映画は4~6本のみにとどめられ、そのほとんどは5000万ドル(約40億円)程度の中規模予算の作品となる。スパイグラスの創始者であるゲイリー・バーバー氏とロジャー・バーンバウム氏は、予算管理に関しては厳しく行い、配給を外部委託したり、テレビやオンラインでのビジネスに力を入れていく方針を示している。
一方、ライオンズ・ゲート社は買収工作を進めていたアイカーン氏に対し、「MGMの負債を利用してライオンズ・ゲートから利益を得ようとした」と訴えを起こしており、ハリウッドの有名スタジオをめぐる大規模な破産・再建ドラマが大きな展開を見せている。