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日本の男の子は性に対して子どもっぽい?イギリス女子が素朴なギモン!『童貞。をプロデュース』英で上映

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松江哲明監督
松江哲明監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 ロンドンで開催された日本映画祭ジパング・フェストで、松江哲明監督のトーク・ショーが開催された。今回が第1回となるフェストで特集が組まれた松江監督に『童貞。をプロデュース』上映後、イギリスならではの質問も飛んだ。トーク・ショーで上映されたのは本作の前半『童貞。をプロデュース1』と呼ばれる部分。23歳の童貞くんを主人公にしたドキュメンタリーの1の後、松江監督は同様のコンセプトで2も撮り、2つをまとめて『童貞。をプロデュース』としている。

 自分の殻にこもり、好きな相手に気持ちを告げられずにいる主人公が、紆余曲折を経て、踏み出そうとする本作は、ドラマチックでもある。それについて監督は「30時間くらい撮ってます。それを30分にまとめる中で、僕が物語を作っているようなドキュメンタリー」と説明する。主人公が思いを寄せる相手も最後に登場するが、フィクションのつもりで出演していて、出来上がった映画を見て初めて事実を知ったという。映画自体が告白になって、主人公を後押しする形にもなったという落ちまでついたようだ。「僕の中でストーリーラインを決めておいて、現場で起こるリアクションを撮りたい。ただ、それを被写体には伝えないんですよ」「予想外のことが起こるのが面白いんですけど、そういうものを撮るためにも決めておかないと、偶然が必然に見えない」と松江流ドキュメンタリー作法も披露した。「ドキュメンタリーの面白いのは、どんなに計算しても事実がそれを超えることです」と監督が話すドキュメンタリーの魅力は、本作からも十分伝わってくる。

「愛のないセックスはできない」などと語り、好きな子に対して何のアクションも起こさず、松江監督にアダルトビデオ撮影現場に引きずり出される主人公は笑いを誘う。それでも、それほど変人とも思えず、よくいるタイプのオクテの男の子のように見える。だが、イギリス人には不思議だったようだ。「主人公はセックスに対して、とても子どもっぽい。あれは彼個人の特徴か、それとも日本人がそう?」と若いイギリスの女の子から質問が出た。監督が「全体的にそうだと思う。僕自身、経験するまでは、ああいう幼い考え方でした。みんながみんなそうではないけど、すごく日本人ぽいなとは思います。実際に、この映画を見て共感するという若い子も多いですよ」という日本人論に興味深げな観客だった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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