妻夫木聡、ムダな役者魂!?リアル唐辛子で「鼻にきますね」
映画『鮫肌男と桃尻女』や『茶の味』の石井克人監督最新作映画『スマグラー(仮)』の撮影現場がマスコミに公開され、主演の妻夫木聡、永瀬正敏、満島ひかり、我修院達也、そして石井監督が取材に応じた。本作で妻夫木は、借金返済のために日給5万円の高額アルバイト「運び屋(スマグラー)」として働く役者志望のフリーター役に挑んでいる。
現在も営業しているという食堂を貸し切って行われたワンシーンの撮影。それは、そばを食べながら妻夫木をはじめとするキャストがお芝居をするシーンで、「運び屋(スマグラー)」の仕事を仕切る無口な男を演じる永瀬が、妻夫木に簡単なお説教をしながら彼の食べるそばに大量の唐辛子を入れてしまい、その激辛そばを妻夫木が無理やり食べるというもの。セリフをかみ、NGを連発してしまう永瀬は、その分そばを食べる回数が多くなる妻夫木に「ごめん。大丈夫か?」と気遣いを見せ、妻夫木も「全然大丈夫です」と答えるなど、キャスト一丸となって撮影にのぞむ姿を垣間見ることができた。
そして撮影後の囲み取材で妻夫木が「初めはお芝居でやっていたけど、アップは辛いのでいきたいなと思って。3分の2ぐらいはリアルでやりました。でも鼻にきますね」とテレながらも、繰り返し撮影されそのたびに食べたそばの中身には本当の唐辛子が入っていたことを明かした。石井監督は辛くないものを用意していたそうだが、「くだらない役者魂を……」と妻夫木がはにかみながら漏らし、すかさず永瀬が「大事大事」とフォローする場面も。以前から付き合いがあったという妻夫木と永瀬の仲の良さが感じられた。
また、満面の笑みで現場に花を添えていたヤクザの組長の妻役・満島は、「運び屋(スマグラー)」の一員・我修院をずっと見つめる芝居が「笑っちゃうんです」と大変だったことを明かし、その我修院は「12年ぶりにみけんを剃りまして」とトレードマークであるまゆ毛の断髪式を行ったことを告白。この日現場にはいなかったが、ゴスロリファッションに身を包み、裏社会で賢く稼ぐ女社長に松雪泰子や、チャイニーズマフィアの中で伝説化した最強の殺し屋に安藤政信など、濃いキャラクターに彩られた本作に期待は高まるばかりだ。
『鮫肌男と桃尻女』とは違い、アクションシーンも「そこに何があったのか全部見せることをやりたかった」と語った石井監督。奇抜でコントラストが強い色合いの映像、ハイスピードカメラで撮影されたアクションシーンなど、最新の「石井ワールド」が完成するのは、来年5月を予定している。
映画『スマグラー(仮)』は2011年秋全国公開予定