今年70歳の戸塚ヨットスクール校長サプライズで登場!「教育を悪くしたのはマスコミ!」と痛烈コメント!
5日、ポレポレ東中野で、戸塚ヨットスクールの実態に迫ったドキュメンタリー映画『平成ジレンマ』が初日を迎え、齊藤潤一監督、阿武野勝彦プロデューサーが登壇。さらに客席に戸塚宏校長が登場するというサプライズもあった。
本作は、1980年代初頭に、訓練生の死亡や行方不明事件などで世間を騒がせた戸塚ヨットスクールの軌跡と現在を追ったドキュメンタリー。会場には、当時のことを知っているであろう中高年齢層の観客を中心に多くの観客が来場。中には若い観客の姿もちらほら見えるなど、希代の悪役と呼ばれた戸塚宏校長に対する関心の高さがうかがえた。壇上に立った東海テレビの阿武野プロデューサーは「ようやく東京で初回を封切ることができました。わたしたちはドキュメンタリーの東海テレビと自負しておりますが、映画というのは、東京一極集中なんです。たとえ名古屋でいい映画だと言っても、誰も見向きもしません。ですから東京で評価され、それが波を作るというようにしたいですね」と意気込みを語ると、齊藤監督も「この作品を観た方の感想は、良かったね、というものではなくて、混乱したというコメントがほどんどでした。でも自分としてはそれがうれしくて、教育、ニート、ひきこもりといういろんな問題を考えるきっかけになってほしい」とコメントした。
舞台あいさつの途中で、阿武野プロデューサーが「実は今日は戸塚校長がお見えになっています!」とのサプライズコメントを発し、どよめきが起きる会場内。そして映画を観たばかりの観客からは拍手が起きた。関係者によると、この日は来館予定はなかったものの、別件で東京に用事ができたため、急きょ来館することに決まったのだという。
舞台あいさつ中はコメントを発することのなかった戸塚校長だったが、舞台あいさつ終了後、シネマトゥデイのインタビューに答えた戸塚校長は「教育というのはマスコミが悪くしたんです。善悪だ、権利だ、体罰だ、と彼らは断罪しますけど、じゃ、彼らに善悪の定義って何だ、権利の定義って何だ、体罰の定義って何だと聞くと、彼らはまったく答えられないんですよ」と痛烈なマスコミ批判。しかし穏やかな笑顔で「しかしね、教育を悪くしたのもマスコミなら、これから教育を良くするのもマスコミなんです。ちゃんと頼みますよ」と付け加える戸塚校長。現在、70歳を迎え、なお教育に情熱を燃やす信念を感じさせるコメントだった。
本作は、傷害致死罪などで裁かれ服役した後も、問題を抱えた子どもたちと向き合い続ける戸塚宏校長と同スクールの今に迫りながら、引きこもりやニート、教育現場の荒廃など現代社会が抱える闇を浮き彫りにする。劇中では戸塚校長が「体罰をやめたら、先生よりも子どもが偉いというとんでもない世界になったじゃないか!」と現状を批判するなど、モンスターペアレンツや学級崩壊が叫ばれる現在の教育現場に一石を投じる内容となっている。
映画『平成ジレンマ』はポレポレ東中野ほか全国順次公開