永作博美、母親ならではの鬼気迫る演技!井上真央がナレーションを務める『八日目の蝉』予告編が解禁!
直木賞作家・角田光代のベストセラーを井上真央主演で実写化した映画『八日目の蝉』の本予告編がオフィシャルサイト上で解禁された。親子2代にわたる愛憎劇を描いた本作の予告編では井上がナレーションを務めているが、役柄になりきったその語り口調で、家族やトラウマがキーとなっている作品の世界観を見事に表現している。
恵理菜を演じる井上の無表情な声で「21年前、どしゃ降りの雨の中で起きた誘拐事件」と語られるところから始まる本予告編で最も印象的なのは、幼い恵理菜を誘拐する父の愛人・希和子を演じる永作博美の鬼気迫る演技。これが出産後初の仕事となった永作の、幼い子どもを見つめる優しい目つきはまさに母親のものである反面、愛に飢えるあまり赤ん坊を連れ去ってしまう場面では、能面のような無表情で不気味さを表現するなど、女性にしかできない演技を披露している。
また、過去の誘拐がトラウマとなってしまっている恵理菜は淡々としたナレーションの一方で、劇中では激しく感情をぶつける場面もあるなど、演じる井上の演技の幅、そして恵理菜というキャラクターの内面の複雑さがうかがえる。とりわけ、「うちの家族は壊れちゃっていたからさ」「わたしだってね、ちゃんと普通の母親になりたかったのよ」といったせりふは、母親、そして家族といった作中の重要な要素を反映したものであり、この作品の深いメッセージ性が本作の見どころとなっていることも間違いなさそうだ。
映画『八日目の蝉』は、第2回中央公論文芸賞を受賞した角田光代の小説を原作にしたヒューマン・サスペンス。恋人と彼の妻との間に生まれた赤ん坊を連れ去る女、野々宮希和子(永作博美)とその誘拐犯に愛情いっぱいに4年間育てられた女、秋山恵理菜(井上真央)の運命を描いている。実の両親の元に戻っても普通の生活は望めず、心を閉ざしたまま大学生になった恵理菜は、ある日、自分が家庭のある男の子を妊娠したことに気付く。過去と向き合うため、かつて母と慕った希和子と暮らした小豆島へと向かった恵理菜が、そこで知った真実とは? 悲しくも美しい衝撃のラストは、涙なしには観られないはずだ。
映画『八日目の蝉』は4月29日より全国公開