『トイ・ストーリー3』、アカデミー賞長編アニメ賞受賞!
第83回アカデミー賞
日本時間2月28日に行われた第83回アカデミー賞授賞式で、映画『トイ・ストーリー3』が長編アニメ賞を受賞した。賞レースでは候補に挙がった3作品すべてが何らかの賞を獲得しており、どの作品が受賞するかに注目が集まっていた。
大人気シリーズの完結編となる映画『トイ・ストーリー3』は、アニメーションのアカデミー賞といわれるアニー賞では無冠に終わったものの、ゴールデン・グローブ賞でアニメーション作品賞を受賞しているほか、英国アカデミー(BAFTA)賞でもアニメーション賞を獲得するなど賞レースでは一歩リードしていた。昨年のピクサー映画『カールじいさんの空飛ぶ家』に続き、アニメーションでは唯一アカデミー賞作品賞にもノミネートされるなどアニメの枠を超え、一つの作品として評価されていた。
映画『ヒックとドラゴン』は、アニー賞で最優秀作品賞、監督賞を含む10部門で受賞。それに先立つ全米視覚効果協会主催の第9回VESアワードでも3部門で賞を獲得するなど、受賞数は『トイ・ストーリー3』に及ばないものの、権威ある映画賞を立て続けに受賞していた。ドリームワークス製作の長編アニメーション作品は2005年の映画『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』以来オスカーを獲得しておらず、今年は期待が懸かっていた。
映画『イリュージョニスト』は日本では三鷹の森ジブリ美術館が、クロックワークスと共に配給を手掛けていることでも話題に。『ぼくの伯父さん』シリーズで名をはせたジャック・タチが娘のために書いた幻の脚本を基にフランスのアニメ作家、シルヴァン・ショメが映画化した。すでにヨーロッパ映画賞、ニューヨーク批評家協会賞を受賞してはいるものの、アカデミー賞長編アニメ賞においては2002年の映画『千と千尋の神隠し』を唯一の例外として外国作品が受賞したことはなく、ヨーロッパ作品として初の受賞なるかと期待されていた。
ふたを開けてみれば、どれが受賞してもおかしくないという予想通り、長編アニメ賞は順当な結果に終わったといえる。どの作品も日本で鑑賞が可能なので、今年を代表するアニメーションをぜひ、自分の目で確認してほしい。