ナタリー・ポートマンの主演女優賞に待った!映画業界のオスカー予想加熱中!
第83回アカデミー賞
アカデミー賞まであと2日、映画関係者や映画ファンが行っているオスカー予想レースがますます白熱する中、主演女優賞の結果予想が注目を集めている。ゴールデン・グローブ賞、全米俳優組合賞(SAGアワード)、全米批評家協会賞、英国アカデミー賞を総なめにした映画『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンの受賞は確実という大方の予想をくつがえし、映画『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングが土壇場でオスカーをさらって行くのでは……と目されているためだ。
才能あるバレリーナを演じるための過酷なトレーニングに挑み、ミラ・クニスとの激しいレズビアンセックスにも果敢に挑戦したナタリーの体当たり演技のような壮絶さはないものの、『キッズ・オーライト』でレズビアンの女性を演じたアネットの披露したパフォーマンスは、その表情1つとっても、見てる者の心をゆさぶる素晴らしいものであると大評判。主要な映画賞を制覇しているのにもかかわらず、大先輩アネットをライバルに持つナタリーは、アカデミー賞の受賞が確実とは言い切れない状態にある。
また、ロサンゼルスタイムズ紙では、「オスカーの謎:なぜナタリー・ポートマンの勝利は確実ではないのか?」という特集を組み、3つの理由を挙げている。
1つ目の理由は、ベテラン女優のアネットは過去3度にわたってアカデミー賞ににノミネートされているにもかかわらず、まだ1度も受賞を果たしていないため、そろそろ受賞のタイミングであるということ。
2つめの理由は、アネットがアカデミー理事の一員であるということ。彼女の持つ、強力なコネクションが、勝利を後押しするだろうというのだ。
そして3つ目の理由は、『ミルク』のショーン・ペン、『フィラデルフィア』のトム・ハンクスのように、同性愛者ではない俳優がゲイの役を演じると、オスカーを手にする可能性が高いという理由だ。
どの理由も納得できるものではあるが、それでもナタリーが勝利する可能性は高い。歴代のアカデミー賞を振り返ってみると、アカデミー賞以外の各映画賞を総なめにしつつもオスカーを獲得できなかったという俳優は極端に少ないからだ。近年では映画『ビューティフル・マインド』のラッセル・クロウ一人のみ。ラッセルが受賞を逃した最大の理由は、彼がアカデミー賞の選考締切りを目前に持ち前の短気さを爆発させ、英国アカデミー賞のプロデューサーを殴りつけるという失態を犯したことで、業界内で大ひんしゅくを買ったからだといわれている。結局この年は『トレーニング デイ』のデンゼル・ワシントンが主演男優賞を受賞した。
とはいえ、確実と思われたナタリーの受賞が、絶対とは言えなくなったことで、その結果がこれまでよりも注目を集めている主演女優賞。映画『ウィンターズ・ボーン』(日本未公開)のジェニファー・ローレンス受賞の可能性も捨てたものではないと根強く主張する評論家たちも多いようだが、果たして誰がオスカーを手にするのか!? 結果は見てのお楽しみだ。
アカデミー賞授賞式は、現地時間2月27日にコダック・シアターで開催。日本ではWOWOWにて2月28日午前9時30分より生放送される。(文・取材:明美・トスト/Akemi Tosto)