地元が津波被害を受けた渡辺直美が母の祖国、台湾の人々から集まった21億円もの義援金に感謝
宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターなどで開催中の第3回沖縄国際映画祭において、お笑い芸人の渡辺直美が、自分の地元である茨城を含め、各地に大きな被害をもたらした東北太平洋沖地震の被災地支援のため、募金活動で連日声を張り上げ続けている。
3月11日、宮城県沖を震源とした国内観測史上最大のマグニチュード9.0の地震が発生し、その後大きな津波が東北地方の太平洋沿岸を襲った。津波の混乱の中、マグニチュード7.4の地震が茨城県を震源として発生。最大震度は鉾田市で震度6弱を記録した。今回の震災では、宮城県、岩手県、福島県……など被害の範囲が広いため、なかなか報道されないが、津波の被害も受けた茨城県の1部地域では、ライフラインが断たれている。映画祭の初日、渡辺の先輩で同じく茨城出身の森三中の黒沢かずこが地元の様子を訴えていたが、渡辺もまた沖縄で、地元の知られざる惨状を訴えている。
比較的被害の少なかった実家のある石岡市だが、海沿いに住む渡辺の友人は、断水、停電、そしてガスも止まり、ライフラインを断たれた生活をいまなお強いられているという。そして、茨城でも発生している問題が、食料とガソリンの不足だ。「茨城は、車がないとどこにも行けないんです。でもガソリンスタンドは、(給油制限で)1人5リットルまでで、大行列みたいで……」と、住民が直面している新たな問題を語った。渡辺は、チャリティーを目的としているこの映画祭で、募金活動を行うほか、ツイッターで「みんなの現状を、どんどんリツイートするようにしている」という。
地元が大変な被害を受けている中、うれしいこともあった。日本人の父親と台湾人の母親との間に生まれ、その後母親に女手一つで育てられた渡辺は、「台湾のチャリティー番組が、4時間半の放送で21億円の義援金を集めた」というニュースについて、ツイッター上で「人口2,300万人で物価だって日本とは全然違うのに。。 台湾や世界のみなさんに感謝致します」とコメント。もうひとつの祖国に向けて感謝の気持ちを伝えた。(編集部・森田真帆)