いしだ壱成、母親と原発実験に反対運動、11歳でボコボコにされた凄まじい体験をつづったブログが話題に
俳優、ミュージシャンとして活躍するいしだ壱成が3月4日付けでつづった「今だからみんなで考えたいこと。」と題した、11歳のころに母親に連れられて原発反対運動に参加したときのすさまじい体験をつづったブログの内容が今ツイッターなどで話題になっている。
日付は3月4日と記してあるため、今回の福島第一原発事故が起きる前だ。いしだが以前より原発に関心を持っていたことに驚かされるが、何よりもその具体的な内容が、いしだが抱いていた原発への恐怖の形となってダイレクトに伝わってくる。
そのブログの内容は、石田の母親が父・石田純一と別れてから、山の中で暮らしていた11歳ごろの体験だ。原子力開発史上最悪の事故といわれているチェルノブイリ原発が大事故を起こした同年か翌年かに、四国の最西端に建つ伊方原子力発電所で、チェルノブイリ原発が事故を起こした原因でもある「出力実験」が行われようとしていたという。
即刻実験中止を訴えるべく、いしだの母親たちは全国から仲間を募り、いしだも学校を休んで四国電力に座り込みに行ったという。しかし、結果的に機動隊が出動する大衝突になった。いしだの母だけでなく知り合い、そして11歳のいしだも、大人からきたない言葉を浴びせられ突き飛ばされ叩き付けられ、こん棒で殴られたことがつづられている。そのときの機動隊の表情を「冷徹な目だけで、僕を見下ろしている。勿論ニコリともしない。そして微動だにしない。表情一つ変えず。実験そのものも怖かったが、その顔も、怖かった」と表現。当時まだ少年だったいしだが感じた恐怖が十分に伝わってくる。
しかし、そんな闘いもむなしく、結局「出力実験」は行われたという。いしだはその実験が成功した結果現在稼働している55の原発を「例えが極端だが、55個もの核爆弾が人の手で爆発を制限されながら、いつどかんといってもおかしくない状態で爆弾の周りを取り囲む海水を沸騰させて、日本各地で唸りを上げてタービンを回して発電している。膨大な放射能を海と大気中にばら撒きながら」と表現している。
そして、いしだは新たな原発の建設予定地の名前をあげ建設の反対を訴えた上で、今後代替電力を地熱、風力、水素などにシフトして行けばいいのではないかと呼びかけ「これらの事を人ごとと捉えるか、自分たちのことと捉えるかは勿論自由だ」「すべて今、現在進行形で起きている事だ」とブログを結んでいる。そしてそのわずか1週間後に日本史上最悪といわれる福島第一原発事故が起きている。(編集部・下村麻美)