ベルギーで『しんぼる』『ヤッターマン』など話題作を集中上映の日本映画祭開催 義援金とメッセージ集まる
ベルギー第3の都市ゲントで3月30日~4月3日、第2回となる日本映画祭「ジャパン・スクエア・フィルムフェスティバル」が市内のスタジオ・スクープで開催された。
同映画祭はベルギーではなかなか日本映画を観賞できる機会がないことから、現地在住の日本人など有志5人が始めた手作りのイベントだ。昨年からスタートし、昨今の話題作を上映。今年は、西川美和監督『ゆれる』(2006年公開)、三池崇史監督『ヤッターマン』(2009年公開)、柴咲コウ主演『食堂かたつむり』(2010年公開)、松本人志監督『しんぼる』(2009年公開)、昨年8月に亡くなった今敏監督の『パプリカ』(2006年公開)、現代版「蟹工船」と話題となった土屋トカチ監督のドキュメンタリー『フツーの仕事がしたい』(2008年公開)、そして小津安二郎監督の名作『お早よう』(1959年公開)とバラエティに富んだラインナップ。3月31日には、著書「Agitator:The cinema of Takashi Miike」などで知られるオランダの映画評論家トム・メスによる三池崇史監督のシンポジウムも行われ、欧州でカルト的な人気を持つ三池ファンによる熱い語らいで盛り上がったという。
また会場には会期中、フランダース赤十字の協力を得て東日本大震災の被災地に送る募金箱が設置され、1751.36ユーロ(約21万円)が集まった。メッセージも数多く寄せられ、中には「大好きな日本の皆さんへ」と題し、「ここ数週間、みなさんの国に起こった震災のニュースを見ています。崩壊された町や村や、また被害者数を見ると心がとても痛みます。ですが、同時にみなさんのこの災害への落ち着いた取り組みに驚かされ、特に勇気と忍耐力を持って復興に取り組む姿には尊敬を感じます。みなさんの美しい国の復興を心よりお祈りしています」と、心のこもった丁寧な文字で書かれた文もあったという。
スタッフの一人、鍛冶智子さんは「5日間で20万円以上も義援金が集まったのも、来場して下さった方々の気持ちの表れのようで嬉しいです。映画祭としてはまだまだ……な面もありますが、毎年続けて行きたいと思ってます」と力強く語った。(中山治美)