『映画ドラえもん』被災地を無料巡回上映 東宝が無償で提供 会場の募集も
『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』が、被災地で無料巡回上映されることがわかった。本作の配給を手掛けた東宝によると、映画『ドラえもん』シリーズの被災地での巡回上映に関して、複数の問い合わせを受け、のび太と恐竜のピー助、そしてドラえもんと仲間たちのあたたかなきずなが描かれる本作の無償提供を決めたという。
4月29日から5月1日までの巡回上映を企画している映像機器メーカーに勤める田中彰さんは、4月16日に宮城県気仙沼市を訪問。今、避難所で必要とされているものは何なのか、被災地の人々の声に耳を傾けた。そして、「このゴールデンウイーク、震災さえなければ、避難所の方々も本当は友達と遊んだり、家族で旅行をしたりと、いつもと変わらぬ楽しい時間を過ごされていたと思います。『娯楽でおなかが膨れるか?』といえば、決してそうではありませんが、大変な毎日の中に少しだけでも娯楽の要素があるということは、避難所の皆様の生活が少しでも本当の『日常』に近づいていく、ささやかだけれども、大きな意味を持つ『復興への第一歩』になるのではないではないか」と自身の思いを語っている。
田中さんによる巡回上映の会場は、4月29日と30日についてはすでに決定済み。しかし、映画を上映するためには、それなりのスペースが必要で、5月1日の上映会場は、いまだ決定できていないという。「日本中が苦しんだ終戦直後、日本中の映画館は常に満員でした。映画、映像が持つ力というものは苦しいときにほど輝くのかもしれません。その映像の力を借り、被災地が、東北が、少しでも元気になれるように活動できればと思っています」と語る田中さん。彼のように被災地のために無料巡回上映を企画する人々の声を受け、東宝では、お年寄りも含めた全世代が楽しめるような作品をもう1作品提供できないかと検討中だという。(編集部・島村幸恵)
田中彰さんは、5月1日の無料巡回上映の実施会場をツイッター(@akiratequila)にて募集中。会場決定の連絡なども順次ツイッターを通して行っていく。