水谷豊、29年ぶりに映画単独主演!『相棒』シリーズ和泉監督とタッグ!岩手県に伝わる“座敷わらし”と共演
俳優・水谷豊が、萩原浩の小説「愛しの座敷わらし」の映画化作品で、映画『逃がれの街』以来29年ぶりに映画単独初主演を務めることが発表された。本作で水谷が演じるのは、家でも会社でも居場所がない52歳の男・高橋晃一。メガホンを取るのは、『相棒』シリーズで10年以上にわたって水谷とタッグを組んできた和泉聖治監督で、『相棒』の主演俳優と監督コンビが、新たな物語に挑戦をすることになった。作品に登場する“座敷わらし”は、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県を中心とした東北地方に伝わる子どもの形をした精霊。水谷は、「岩手県が舞台の作品です。目に見えない幸せがテーマですが……幸せが全国に届きますように。そんな気持ちで取り組みたいと思っています」と意気込みを語っている。
及川光博とのW主演で挑んだ『相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』も興行収入35億円突破のスマッシュヒットを記録した水谷だが、「相棒を中心にこの10年あまり過ごして来ていますが、相棒とは全く違う世界観の作品をそろそろやってみたいと思っていました」と新たな挑戦のチャンスをうかがっていた様子。渡辺謙が主演し、興行収入22億円超えのヒットを飛ばした映画『明日の記憶』の原作者でもある萩原は、「愛しの座敷わらし」の映画化について、「あれこれ楽しんでもらって、終わった後には小さなお土産を手渡せる、そういう物語をめざして書いたので、ぜひ、そんな映画を」と語っているが、水谷はそんな萩原のメッセージをしっかりと受け取ったようで、「読み終わって感じたものは、まるですがすがしい『風』でした。幸せとはこういうことなのか……と思わせるような」と読後の感想を語り、「荻原浩さんのキャラクター作りは実に巧みで、僕はこの本を読んでいる間中、常に登場する誰かになっていました。それは主人公の晃一に限らずどの登場人物も演じられるほどでした」とすでに役づくりもばっちりのようだ。
「愛しの座敷わらし」は、一緒に暮らしているのに心はバラバラだった家族が、父親の転勤で引っ越してきた岩手県の片田舎にある古民家で座敷わらしと出会い、それぞれの生きていく意味や自信を取り戻し、新たに家族のきずなを作り直していく希望と再生の物語。『相棒』シリーズで演じてきたとらえどころのないクールな刑事・杉下右京のイメージから一転、会社からも妻からも見放されながら家族を結びつけようと必死に行動する水谷の姿は新鮮で、観客にも希望を与えてくれることだろう。映画は今年の6月から7月にかけて撮影を行い、来年のゴールデンウイークの公開を予定している。(編集部・島村幸恵)
映画『愛しの座敷わらし(仮題)』は2012年ゴールデンウイーク全国公開予定