液状化現象起こる千葉県浦安市で撮影中の映画『カルテット!』、クランクアップ
浦安市市制30周年記念作品として、来年1月の公開を予定していた映画『カルテット!』が、東日本大震災により、公開延期を余儀なくされながらも、液状化現象の起こる千葉県浦安市で撮影を決行し、22日にクランクアップを迎えた。浦安市在住の作家・鬼塚忠の同名小説を映画化した本作は、「市民参加型映画」と銘打ち、地域に密着した映画作りを目指していた。主人公の永江開役には、新人の高杉真宙、その姉・美咲役に剛力彩芽と新進俳優2人を起用、その脇に、細川茂樹、鶴田真由、田中美里、サンプラザ中野くん、東幹久といった豪華キャストが集結している。
11日に高杉、剛力、細川、鶴田の物語の中心となる家族を演じる4人が集合し、浦安市総合公園で行われた会見では、主演の高杉が浦安市の現状を「ニュースとかで見ていたけれど、来てみたらもっとすごくてこわいと思った」と語る一幕も。細川は「中止か延期かと思ったけれど、多くの市民の方もやって欲しいと言っているという話を聞いて、熱くなった。僕たち(役者やスタッフ)にできることは、良い作品を作って、みなさんに届けることだけだから、できることを全力でやるしかない」と浦安市の方々の声を受けて、撮影が決行できたことを明かしていた。
『カルテット!』は、崩壊寸前の家族が、カルテット(四重奏)を結成し、家族のきずなを取り戻していく姿を描いた作品。2月に入籍したことを発表したばかりの細川は、「家族のためにいろいろと考えながら生きていく大切さは、独身のときにはあまり考えなかった。家族のきずなの良さを、映画を通して伝えられたら」と家族のきずなが描かれた本作の魅力を語っている。映画の完成は6月を予定しているが、公開時期は震災の影響により、いまだ決定できていない。震災の被害に負けずにクランクアップに漕ぎ着けた本作は、日本の人々に希望を与えてくれるはず。公開を待ち望みたい。(編集部・島村幸恵)