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新海誠監督、東日本大震災の後にアニメ製作の理由を見失いかけたことを告白-『星を追う子ども』初日舞台あいさつ

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左から、新海誠監督、金元寿子、入野自由、井上和彦
左から、新海誠監督、金元寿子、入野自由、井上和彦

 7日、映画『星を追う子ども』の公開初日舞台あいさつが新宿バルト9で行われ、新海誠監督、出演者の声優の金元寿子井上和彦入野自由が登壇した。新海監督は、本作の製作中に東日本大震災が発生したことから、一時は製作理由を見失いかけるもアニメの持つ力を信じて製作を続行したことを明かした。

映画『星を追う子ども』場面写真

 朝9時からスタートした舞台あいさつにもかかわらず、会場には多くのファンが詰め掛けて同作品の注目度の高さをうかがわせる中、新海監督は今回の作品を作ったきっかけについて「これまでの作品は日常生活を美しく描くことを目的にしていたが、今回は難しいことを考えなくても、席に座って映像と音楽に身を浸していれば楽しめる作品にしたかった」と説明。だが製作中に東日本大震災が起こったときは「アニメは1つの娯楽でしかなくて、衣食住に勝るものではない。そんなときにアニメを作る理由を考えざるを得なかった」とクリエイターとして苦悩したことを明かした。しかし自身もつらかったときに、いろいろな作品に勇気づけられた経験から迷いを振り払ったそうで、「アニメはバンドエイドみたいなもの。アニメや娯楽を観れば、悩みや心の傷の直りが少し早くなる。バンドエイドなので傷が治ったら捨ててしまってもよいが、皆さんの心のどこかに少しでも居場所を見つけてもらうことができたら幸せ」と作品への愛をコメントし、会場からの温かい拍手に包まれた。

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 そんな新海監督だが、ベテラン声優の井上に対してはやや腰が引け気味。「井上さんは大先輩。(井上が声優を努めていた)『美味しんぼ』の山岡さんが大好きだったので、収録中に『ここを少し変えてください』って言うのにも覚悟がいりました」とビビり気味に告白して会場を爆笑させる。「もちろん井上さんは嫌な顔ひとつせず、素晴らしい演技をしてくださいました」と続けるも、「あんまり言うと嫌な顔したみたいじゃないか」と井上に突っ込まれて、さらに身を縮めていた新海監督だった。

 『星を追う子ども』は、『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』などで熱烈なファンを獲得した新海誠監督が手掛ける、孤独な少女の冒険の旅をファンタジックに描くアニメーション。ヒロインがたどる未知の場所への冒険を通して、この世界の美しさや輝きを紡ぎ出す。(肥沼和之)

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