『ブラック・スワン』が大ヒットスタートで1位発進!『岳 』『GANTZ』をごぼう抜き!アカデミー賞効果と劇場ブッキングの采配がズバリ的中!
映画週末興行成績
5月11日(水曜日)から全国316スクリーンで公開された、ナタリー・ポートマン主演映画『ブラック・スワン』が土日2日間で動員20万9,614人、興収2億6,800万4,900円をあげ、初登場首位を獲得。さらに本作は、初日から5日間の成績として累計動員が40万6,746人、累計興収が4億9,565万9,600円になるという大ヒットスタートを記録した。
映画界の一大イベントであるアカデミー賞受賞作品の中でも、人間ドラマに重点を置いた作品の多い主演女優賞受賞作は、ここ10年間でも国内興収10億円を超えた作品が、ニコール・キッドマンの『めぐりあう時間たち』(最終興収10億円)、ヒラリー・スワンクの『ミリオンダラー・ベイビー』(最終興収13億4,000万円)しかなく、拡大公開されることは珍しい。本作も、もともとはTOHOシネマズシャンテを中心としたミニシアター作品的な展開が考えられていたという。しかし、日本に先駆けて公開された世界各国々では軒並み大ヒットを記録し、日本でも前売り券の販売枚数が絶好調だったという実績、さらに第83回アカデミー賞で5部門にノミネートされるなど、作品評価が高まったことを機に全国公開となる日劇チェーンへの格上げが決定。結果的にナタリーの主演女優賞受賞という追い風もあって、その采配(さいはい)が見事にハマった形となり、今回の大ヒットにつながった。観客層は10代後半、20代、30代と若い観客層に訴求。男性、女性問わず幅広く訴求したようだが、観客の割合としては女性の方が多かったようだ。
今週は、2位と前週の首位からワンランクダウンとなった『岳 -ガク-』だが、土日2日間の動員が15万4,621人、興収が1億9,160円と好調に推移。9日間の成績は、累計動員が59万1,989人、累計興収は7億1,774万2,960円となった。3位は前週と同じく『GANTZ:PERFECT ANSWER』で、累計動員が189万5,793人、累計興収が23億4,637万6,400円となった。また、公開5週目の『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』は4位で2ランクダウンだが、238万3,444人、28億814万6,600円となった。
公開3週目の『八日目の蝉』は5位でワンランクダウンだが、累計動員は68万6,371人、累計興収は8億1,169万300円となった。そして先週よりワンランクアップで6位の『阪急電車 片道15分の奇跡』は好調をキープしており、動員が前週比94パーセントで、累計動員56万8,920人。累計興収は7億324万1,800円となった。7位の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』は5週目を迎え、累計動員が96万9,350人、累計興収が10億9,144万6,750円を突破した。同じく公開5週目の『ガリバー旅行記』は8位で、累計動員が100万人、累計興収が15億円を突破した。そしてもう一つのオスカー作『英国王のスピーチ』は12週目を迎え、ワンランクアップの9位とロングランヒット中。動員が前週比106%と前週を上回る成績で、5月16日の月曜日までの成績は累計動員が約136万人、累計興収が約16億4800万を突破している。そして10位は『アンノウン』で2ランクダウンという結果になった。
さらに今週は、ワーナー・マイカル・シネマズと角川シネプレックスの計66館で公開された『はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH』が11位にランクイン。2009年に製作された「HAYABUSA - BACK TO THE EARTH -」に地球帰還までの最新映像を加えたフルCGドキュメンタリーとなっており、一律500円という鑑賞料金の設定がファミリー層、シニア層などの支持を集め、初日2日間の成績は動員2万1,421人、興収1,072万2,000円だった。
今週末は、大ヒットほぼ間違いなしと思われる『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』が公開。その他、『アウェイク』『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』『ゲンスブールと女たち』『レッド・バロン』などの公開が予定されている。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)