福島県出身の芸人、三瓶が地元野菜を販売!「僕はお笑いの実力がないので先輩の力を借りて元気づけたい」
26日、東京・丸の内の東京海上日動ビル前で「食べて応援しよう! 東日本野菜フェア」が開催され、「三瓶です!」の持ちネタでブレイクした福島出身のお笑い芸人、三瓶が出席。風評被害に苦しむ福島県の農家の声を代弁して、福島県産野菜をPRした。
今月の12日に茨城県出身の佐久間一行が茨城県産の野菜をPRしたのに続き、今回フェアに出席したのは福島県出身のお笑い芸人、三瓶。高校3年生、18歳まで福島県安達郡本宮町(現本宮市)にいたという彼は、震災以降に何度か故郷に帰ったらしく、その被害状況を目の当たりにしてショックを受けたと語ると、「テレビで情報は知っていましたけど、実際に見てみたら現実なんだなと思って。何だか悲しくなりました」とポツリ。
穏やかで控えめな人が多いといわれている東北人の例に漏れず、三瓶も決して前に前にと出るようなタイプではない。被災地への思いを語る際も「僕はお笑いをやっているんで、極力、被災地の方に元気になってもらえるように笑わせたいんです。でも正直、僕にはそれほど実力がないんで、お笑いの部分は先輩に任せたいです。その方が確実にみんなを元気づけられるんで。僕はもちろん現場にはいますけど、先輩の下でちょこちょこと手伝いをしたいんです」と控えめにコメント。しかし、「皆さんの力で何とか誤解を解いていただいて、元気を与えていただきたいんです」と訴えかける言葉の奥底には、復興への強い信念を感じさせた。
その後、三瓶は、「皆さんに野菜を買っていただいて、福島を盛り上げたいんです。この時間は自由にしゃべっていいと言われたんですが、正直、まったく何をしゃべっていいのかわからないんで、ネタをやります」と言うなり、「三瓶のちょっと面白い話、部活の勧誘」というネタを披露。部活の勧誘をしている先輩に、新入生が「何部なんですか?」と尋ね、「でぶ」というオチのネタだったが、丸の内OLには大ウケ。その反応に、三瓶は少しはにかんだような表情を見せた。
その後は、三瓶も一緒になって福島県産の野菜を販売。「福島はきゅうりが名産品なんです。ラー油をつけてピリ辛にするのもおいしいですよ」とPRすると、その呼び掛けのかいもあって、会場には丸の内のOLやサラリーマンの行列ができた。次々と福島県産の野菜が売れていく様子にご機嫌になった三瓶からは「新しい仕事を見つけたような気がします」というジョークも。芸人としては不器用なところもある三瓶だが、どこか癒やし系のほのぼのキャラである彼の思いは確実に来場者に伝わったようで、会場は笑顔に包まれていた。(取材・文:壬生智裕)