末期病患者の自殺装置を開発した“ドクター・デス”こと、ジャック・ケヴォーキアン氏が死去!
アメリカの病理学者で、末期病患者の積極的安楽死のために自殺装置を開発した“ドクター・デス”こと、ジャック・ケヴォーキアン氏がミシガン州にあるボーモント病院で肺血栓塞栓症で亡くなったことがガーディアン紙によって明らかになった。
ジャック・ケヴォーキアン氏は、1928年ミシガン州でアルメニア移民の子として生まれ、ミシガン大学を卒業後にデトロイトの病院で病理担当医師として活動し始めた。その後、安楽死の研究を開始して、数々のカウンセリングを経たうえで末期病患者の自殺幇助(ほうじょ)のための自殺装置を開発。1990~1999年の間におよそ130人もの末期病患者の自殺幇助を行った。
だが、1998年の11月にCBSの番組「60ミニッツ」で自殺装置で死亡させたことを記録したテープが放送され、アメリカ中で物議を醸した。これがもとで、放映直後に第一級殺人罪(後に第二級殺人罪に変更)で告訴され、結果10~25年の不定期刑とする有罪判決が下り、2007年に仮釈放されるまで刑務所に収監されていた。
ちなみに、2010年には映画『レインマン』のバリー・レヴィンソン監督が、アル・パチーノ主演でケヴォーキアン氏の半生を描いたテレビ映画「死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実」を制作し、チャンネルHBOで放送された。 かなり世間を騒がせた人物ではあるが、ご冥福をお祈りしたい。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)