ニューズ・コーポレーションの会長兼最高責任者のルパート・マードックが、中国映画界にもの申す!
タイムズ、20世紀フォックス、Foxテレビジョンなど大手の新聞、テレビ、映画会社を傘下に抱える複合メディア企業、ニューズ・コーポレーションの会長兼最高責任者のルパート・マードックが、第14回上海国際映画祭で行われた講演で、中国の海外映画の規制は投資の妨げと批判したことがハリウッド・リポーターによって明らかになった。
ルパート・マードックは同講演で「中国ほどエキサイティングな映画市場はない! 中国は世界中で最も古い文化の国から、最も流動的な映画市場を持つ国になった」とコメントし、さらに中国映画の興行収入が2005年の1億5,000万ドルから、2010年の15億ドル数字を伸ばしていることを明かした。
だが、いったんは褒めたルパートだったが「中国は、去年の3月に開かれた世界貿易機関の会議で、中国内での映画配給に外国が参入することに同意することができたが、政府がコントロールする映画配給のシステムを崩していくプロセスは、わずかしか進められていない。そして、このやり方が中国で映画の海賊版を生み出し、映画界の成長の妨げになっているんだ」と辛辣な見解を示した。
ルパートの主張はもっともで、中国で映画『アバター』は2億ドル稼ぎ、さらに3D映画のチケットが飛ぶように売れている中国は、5年以内にアメリカの映画興行を抜く勢いがあるにもかかわらず、政府の規制や検閲の関係上などでまだまだ難しい問題を抱えていることは事実だ。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)