「こたえてちょーだい!」エロ親父やバカ親子でお馴染みの俳優・福島カツシゲ、石巻で4Kのどぶ掃除に従事!!
28日、新宿ロフトプラスワンで、俳優の福島カツシゲが東日本大震災の被災地・宮城県石巻市におけるボランティアの現状を語るトークイベント「『復興支演』~食べて飲んで支宴して~」が開催され、来場者に被災地ボランティアの人手が足りないと呼びかけた。
福島といえば、以前にフジテレビで朝に放送されていたテレビ番組「こたえてちょーだい!」内の再現ドラマなどで、エロ親父やバカ親子といった幅広い役柄を演じたことで知られる「ミスター再現俳優」。そんな福島の話を聞くために、会場はボランティア経験者、未経験者問わず多くの観客が来場し、超満員となった。ボランティアというと、どこか肩肘のはったイメージがあるが、笑い話・コントなどを交えながら被災地ボランティアについて説明していく福島の軽妙なトークに、観客の笑いは絶えることがなかった。
もともとゴールデンウィーク明け3日間の予定で石巻市を訪れたが、いつしか一か月以上も滞在することに。今回、東京に帰ってきたのも、俳優の仕事があったからではなく、移動に使ったレンタルバイクの返却期限が迫ってきていたからだという福島は「どんだけ暇なんだと。それだけ俳優の仕事がないということですよね」と笑う。
そんな彼が現地で従事したのは、清掃作業だった。「その中でも特に住人に喜ばれるのは、どぶ掃除。排水が出来ないと水も使えないですからね。ただ、これは危険、臭い、汚い、キツイの4Kと呼ばれている作業。この夏に向けて一応、市役所でやると言ってはくれているんだけど、まだまだ手が回らない。だから結局は住民の方と一緒になってボランティアがやることになるんです。側溝(道路の脇に流れる排水溝)の掃除は、長い戦いになると思います」と現状を語る福島。
現地では、外国からのボランティアも多数参加しているという。イベント中には、ある外国人の女性が「側溝の掃除をやりたい。その家の人が一番喜んでくれるから」と言って、率先して側溝の掃除に従事したというエピソードも語られた。その女性には結婚を考えている男性がいたとのことだが、「結婚はしないの?」と聞かれると、「結婚はいつでも出来るけど、側溝の掃除は今しか出来ない」と返答したのだといか。その力強い言葉に、会場からは歓喜の声が起きた。福島も「外国の人は、日本人と違ってボランティアが普通のことなんですよね。何かが起きた、じゃ、行こうかと。ただ、これからの季節、外国の女性の格好は色っぽすぎる。キャミソールやショートパンツだけでもドキドキするのに、パレオって何よ!? 昼間はシガーニー・ウィーヴァーなのに、夜はキャメロン・ディアスになりますからね(笑)」と冗談を交じえながらも、海外の女性たちを絶賛。ちなみにこの日の客席には、イベントの途中で中座して深夜バスに乗り込み、石巻に向かう予定だという別の外国人女性の姿もあった。そのパワフルな様子を目の当たりにした福島も「ここから石巻に送り出すというのもおかしいよね」と楽しそうに笑っていた。
さらにこの日は、人気テレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」をパロディー化した映像を上映。泥やがれきで散らかっていた被災地の家の中が(ビフォー)、きちんと片づけられて整然とした様子に生まれ変わる(アフター)と、会場からは大きな拍手が起きた。福島はその拍手に照れ臭そうな表情を見せ、「家をきれいにすると、達成感がありますよね。もちろん人間には限界がありますけど、でもやはり家の中をきれいにするのは、結局はマンパワーなんです」とコメントした。
「現場では4日目でリーダーになりました。なのに何で芸能界では出世しないんだろうな」とおどけてみせるなど、大阪出身なためか、サービス精神旺盛な福島のトークに、笑いが絶えることがなかったこの日の報告会。そして福島は「決してボランティアをやっているから偉いわけではありません。行けない人には行けないだけの理由があるはずですから。でも、もしその行けない理由がなくなった時が来たら、ぜひ東北に来てください。まだまだ人手が足りないんです」と訪れた人々にボランティア参加を呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)