森山未來、手塚作品との出会いを語る!世界的振付師によって舞台化された手塚治虫ワールド出演!
5日、日本マンガ界がほこる巨匠、手塚治虫にインスパイアされて誕生したダンス作品「テヅカ TeZukA」の9月からスタートする世界公演を前に、世界的振付師でダンサーのシディ・ラルビ・シェルカウイ氏と出演者の森山未來が、手塚作品への思いや開催に向けた意気込みをBunkamuraシアターコクーンけいこ場にて語った。
「テヅカ TeZukA」は手塚治虫の世界観をモチーフにし、手塚プロダクション全面協力のもと、日本と20世紀後半の世界を描く壮大なビジョンの作品。世界各地から選ばれた9人のダンサー、2人のミュージシャン、そして俳優と書道家が出演する本作に、森山はWキャストの一人として出演する。本作は9月にロンドンで世界初演を迎えた後、来年2月23日から東京・Bunkamuraオーチャードホールにて日本初演となる。
ベルギー出身のシェルカウイ氏は、テレビ放送されていた「鉄腕アトム」などの手塚アニメを見て育ったことを明かし「わたしは子どものころから手塚に教育を受けて育ったようなもの。それが『テヅカ TeZukA』を作る最初のきっかけです」と幼少期に受けた影響が本作誕生のきっかけになったと振り返る。製作に当たって手塚プロダクションの全面協力が決定したときは、それこそ天にも昇る喜びだったようで「生きている中で一番の幸運だと思っています」と笑顔を弾けさせた後、「これまでは作品しか知らなかったが、彼がどんなふうに生きてきたか、その生涯を聞いてある意味啓示のように受け止めました。彼ほどの人でも締め切りに追われて徹夜で仕事をしたり、人から酷評をされたりということがあった。そのことがひらめきを与えてくれました」と、天才と呼ばれ続け、あまり知られていない人間・手塚治虫の素顔も盛り込んだ作品になることを示唆した。
一方の森山も、小学校のころから手塚作品を読んで育ったそうで「休みの日に家族でカラオケスナックのような店に行っていた。そのカウンターの下に『火の鳥』があり、歌を歌えと言われてもずっと無視して読んでいました。皆が歌い終わっても、読み終わるまで帰りたくなかった。それくらいすごく面白かった」と手塚作品との出会いを懐かしそうに回想する。本作に出演が決定したときの心境を聞かれると「すごく面白そうだと思いましたが『おれですか?』って。『ここに呼ばれた理由は何だろう? 何ができるんだろう?』と今も悩みながらやっています」とやや表情を硬くしていたが、シェルカウイはそんな森山のことを大絶賛。かつて森山が出演していたミュージカルを観て、その才能に驚いたことを明かし「俳優としての素晴らしさだけじゃなく歌も踊りもできる。ダンサーは慣れてしまうと、記憶や感覚だけで動きをしてしまうが、森山は俳優の観点を失わずに最後までやり遂げることができる。ダンサーも教わることが多いです」と大きな期待を寄せていることを明かすと同時に、間もなくスタートする世界公演への自信をのぞかせていた。(肥沼和之)
「テヅカ TeZukA」は2012年2月23日~26日にBunkamuraオーチャードホールにて日本初演予定