闘病中の原田芳雄、車いすで試写会に現れ役者魂を見せる! 共演者たちは全員で原田を気遣う
5月に腸閉塞(へいそく)と肺炎を併発し闘病中と報じられていた俳優・原田芳雄が、11日に新宿バルト9で行われた主演映画『大鹿村騒動記』のプレミア試写会に車いす姿で登壇し、共演した石橋蓮司の代読により観客にメッセージを送った。またこの日は原田、石橋のほか大楠道代、佐藤浩市、松たか子、瑛太、冨浦智嗣、小倉一郎、でんでん、加藤虎ノ介、小野武彦、阪本順治監督という豪華出演者たち勢ぞろいし、全員で原田を気遣う場面が見られた。
原田は7月4日に発売された週刊誌「週刊現代」で、腸閉塞と肺炎を併発し闘病中と報じられていた。さらに、今月7日に大阪で行われた本作の舞台あいさつを欠席。その容態が心配されていた。この日、髪の毛をそり上げ、やや痩せた様子の原田が車椅子で登壇すると、会場は大拍手に包まれる。声が出にくいという原田に代わって、石橋が「原田は見かけによらずシャイで、皆様に自分でメッセージを送るのが恥ずかしいというので代弁します」といきなセリフと共に手紙を取り出し、「今日はどうもありがとうございます。どうぞごゆっくりご覧ください。原田芳雄」というシンプルなメッセージを読み上げると、会場は一層の大拍手に包まれた。
またこの日は、登壇者たちが全員で原田を気遣う一面が随所に見られた。原田の入場時・退場時には、全員が車椅子の原田を取り囲みながらゆっくりと所定位置まで案内。フォトセッションの際、阪本監督は無数のフラッシュを浴びる原田を気遣って「フラッシュなしで撮影をお願いします」とカメラマンたちに訴えかけるなど、日本の名優であり本作の主役である原田への深い尊敬と愛情がうかがえるようだった。
『大鹿村騒動記』は、長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフに、『亡国のイージス』『顔』の阪本順治監督と原田芳雄がタッグを組んだ群像喜劇。伝統の村歌舞伎が受け継がれてきた山村で食堂を営む男のもとに、18年前にかけ落ちした自分の妻と友人が現れたことから始まる騒動を軽妙なタッチで描く。(肥沼和之)
映画『大鹿村騒動記』は7月16日より全国公開