ラジー賞の常連、シャマランのシックス・センスは監督映画では発揮されていなかった!? 今度は若手発掘に興味!
ブルース・ウィリス主演映画『シックス・センス』の衝撃のラストと確かな演出力で一世を風靡(ふうび)するも、その後ラジー賞の常連となってしまっていたM・ナイト・シャマランが、新人を監督に抜てきした、自身原案の映画『デビル』でプロデューサー業と新人発掘に意欲を見せている。
『シックス・センス』の大ヒットの後も、『アンブレイカブル』『サイン』などでヒットを飛ばし、実力を発揮してきたシャマランだが、どこでボタンを掛け違えたのか!? 2006年の映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』から、その年の最低映画に贈られるラジー賞ことゴールデン・ラズベリー賞の常連に。2010年の『エアベンダー』では5部門での受賞を果たしてしまった。そのショックがあまりに大きかったのか、原案を手掛けた新作ホラー『デビル』では、新人監督にメガホンを渡し、プロデューサーとして作品にかかわっている。
本作は、若手にチャンスを与えるため、シャマランが立ち上げた映画シリーズ「ザ・ナイト・クロニクルズ」の第1弾として製作されたシチュエーションホラー。今作ではプロデューサーとして、一歩ひいた立場から作品にかかわったシャマランは「制作のプロセス全体にも関われるし、非常に楽しい」とプロデューサー業にご満悦の様子。プロデューサーともなれば、作品の集客など、映画に関して最終的な責任を負わなくてはならないが、「ネガティブなことは一つもなく、エキサイティングで刺激的な体験」と語り、作品に出来に絶対の自信を見せている。
確かに本作は、数々の作家賞に輝くホラー小説家・平山夢明が、シャマランの才能も含めて絶賛するなど、監督作以上に評判が高い。シャマランは、今後も「若手の育成や、新しい才能を発見することも、力を入れてやっていきたい」とコメントしており、監督時代には発揮できなかった!? 新たな才能を発掘するシックス・センスに磨きをかけていくことになりそうだ。
映画『デビル』は、高層ビルのエレベーターに閉じ込められた5人の男女を主人公に、照明が消えるごとに無残な死を遂げていく彼らの恐怖と、疑心暗鬼から起こる争いを描く。シャマランに才能を見いだされたのは、映画『REC:レック/ザ・クアランティン』を手掛けたジョン・エリック・ドゥードル。『エアベンダー』などのラジー賞作品でシャマランを見限ったという人も!? ぜひ彼の新たな才能に注目してもらいたい。(編集部・入倉功一)
映画『デビル』は7月16日より全国公開