『地獄甲子園』『魁!!クロマティ高校』の山口雄大監督が、新たにアニメの実写化に挑戦!ニューヨーク・アジア映画祭で上映
映画『地獄甲子園』や『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』など実写化の難しそうなアニメ作品を手掛けてきた山口雄大監督が、ニューヨーク・アジア映画祭(N.Y.F.A.A)で新作『極道兵器 / Yakuza Weapon』について語った。
同作は、岩城組の組長の息子将造(坂口拓)は、父親の死が同組の若頭倉脇(鶴見辰吾)の責任であることを知り敵討ちを決意するが、逆に返り討ちに合って右腕と左足を失う。ところが、将造は手術を通して改造人間になって復讐を果たしにいくというアクション満載の作品。1998年に「週刊漫画サンデー」で連載されていた石川賢による漫画だ。
石川賢の原作と違う点は「鉄男というキャラクターは将造と幼なじみで、原作では少しぐらいしか出てこないけれど、(この映画では)鉄男をメインに据えて将造との仁義関係を主体にしたいと思ったんです。ただ、将造が無茶苦茶(アクションを)やっているシーンだけを描くものにはしたくなかったんですよ」と実写化するうえで、変化を加えたことを明かした。
坂口拓との出会いについて「もう17、18年前くらいになると思うのですが、自主映画を作っている仲間を通して(坂口)拓と知り合ったんです。僕は当時かなり人見知りで、人とすぐに仲良くなることはあまりなかったのですが、拓とはすぐに打ち解けて仲良くなれたんですよ。そして、よく二人で自主映画を撮っていたんです。そんな中、ある時北村龍平監督と知り合って、映画『VERSUS ヴァーサス』という作品を通して、ようやく自主映画からプロの世界にお互い入ることができたんです。僕の中で拓は、こんなに(映画を)作りやすい人はいない、という存在ですね」と気心の知れた坂口とのコンビは、映画内では躍動感あふれる映像として生かされている。
北村龍平監督との仕事も含め、これまで監督として学んできたことは「『VERSUS ヴァーサス』で仕事をした北村監督は現場では最高責任者であるけれど、現場以外のところでも最高責任者なんですよ。要するに普段から兄貴分なんですよ。僕はもちろん、北村さんとは生き方が違うので同じようにはなれないですけれど、僕はその北村さんのやり方を監督として学んだような気がしますね。みんながこの人に付いていきたい!と思わせることのできるような監督になりたいですね」と答えたように、自分の中には思い描いている監督像があるようだ。
最後に山口監督は、アメリカでは『VERSUS ヴァーサス』の刀のシーンが評価が高かったのを覚えていて、この映画でも海外向けに刀で闘うシーンを多く含めたことを明かした。男くさい映画が少なくなってきた日本映画で、男気を感じる映画に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)