ジョージ・ルーカス監督、敗訴!ストーム・トルーパーのコスチュームをめぐる訴訟
映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場するキャラクター、ストーム・トルーパーのコスチュームをめぐり、ジョージ・ルーカス監督がデザイナーを訴えていた件で、イギリスの最高裁判所はデザイナーがレプリカを売却する権利を認め、ルーカス監督が敗訴した。
映画のコスチューム・デザインを手がけたイギリス人デザイナー、アンドリュー・アインスワース氏は、8年ほど前からストーム・トルーパーのヘルメットをインターネットで販売していたが、これに対しルーカス監督は著作権の侵害を訴え、2004年にアメリカで訴訟を起こした。しかし、アインスワース氏はアメリカに資産を保持していなかったため、その後ルーカス監督は2008年にイギリスの高等裁判所へ、さらに2009年には最高裁判所へ訴えを出していた。
アインスワース氏は、映画のコスチュームは芸術作品ではないためイギリスの著作権法は適用されず著作権侵害にはあたらないと主張。判事は、このヘルメットは映画に登場する多数のトルーパーのために大量生産されたものであり、芸術作品ではなく実用品であると結論した。今回の勝利についてアインワース氏はBBCで、「これは大きな、完璧な勝利だ。早速、祝杯のシャンパンをあけたよ」とコメント。「芸術とは、ロダンの彫刻のような作品をさすもので、映画製作は産業なのだから、そこで作られたものは産業デザインだ」と語っている。一方で、最高裁はレプリカ販売がアメリカでは著作権侵害にあたると判決。アインスワース氏はすでにアメリカでの販売を行っていないが、改めて、ヘルメットのアメリカでの販売は出来ないことになった。
ルーカス・フィルムのスポークスマンは、今回の判決について、「映画のために作られた、高い芸術性を持つ作品を守れないような著作権法では、イギリスの著作権は守られない」と語り、「ルーカス・フィルムは、イギリスのみならず地球上で、『スター・ウォーズ』に関する知的財産権を積極的に守っていきます」とコメントしている。(竹内エミコ)