14時間の大作『原油』を含む全6作を一挙上映!中国ドキュメンタリー界の巨匠ワン・ビン、初の回顧展開催!
世界中から注目を浴びている中国の映画監督ワン・ビン初の劇映画『無言歌』が12月に日本公開されることを記念して、初の本格的な回顧展の開催される。上映時間14時間の大作『原油』を含む全6作品が一挙上映されるのは世界でも初めてのことという、映画ファン必見の特集上映だ。
12月の『無言歌』が日本での初劇場公開作品となるワン・ビン監督は、これまでにも山形国際ドキュメンタリー映画祭、東京フィルメックスで作品が上映されるたびに話題になってきた中国の映画監督。1999年から2003年にかけて3部構成で発表された映画『鉄西区』や840分という上映時間だけでなくその重厚な内容が評価されている映画『原油』など、同回顧展では日本初上映作を含む形で、これまでに発表されたドキュメンタリー作品全6作が一挙上映される。これは世界でも初めての試みだ。
回顧展はPart1が10月8日~14日、Part2が11月5日~11日にオーディトリウム渋谷にて開催。Part1の会期中には監督自身もプロモーションで来日し、トークショーや会場でのQ&Aを行う予定。また、同回顧展では初の劇映画である最新作『無言歌』が特別先行上映されることも決定しており、デビュー作から最新作にいたるワン・ビン監督の足跡をたどる絶好の機会となっている。
山形国際ドキュメンタリー映画祭では、『鉄西区』『鳳鳴-中国の記憶』で2度にわたって大賞を受賞するなど、ドキュメンタリー界では今や知らぬ者のいない存在といっても過言ではないワン・ビン監督。『鉄西区』では9時間超という上映時間を生かし、かつて隆盛を極めた工業地域が廃れていくまでを長大なスケールで描き、『鳳鳴-中国の記憶』では強制収容所に送られた女性の約30年にわたる物語を丹念にたどった。スクリーンに映るのは限定された空間や人間であるにもかかわらず、その作品は中国の現在を切り取ったものであると高い評価を受けている。そんな、ワン・ビン監督でしか撮りえなかった作品の数々をぜひ自分の目で確かめてほしい。(編集部・福田麗)
ワン・ビン監督の回顧展は10月8日~14日、11月5日~11日にオーディトリウム渋谷にて開催
映画『無言歌』は12月17日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開