野性爆弾についに時代が追いついた!?「危険過ぎてテレビで絶対に売れない」カルト芸人から一気にメジャーに!
近年、一気にその存在がメジャー化してきたお笑いコンビ、野性爆弾の川島邦裕と相方のロッシーが、川島の初主演映画『ミステイクン』の公開決定を受け、彼らを取り巻く現状について大いに語った。
かつて「テレビでは絶対に売れない」「東京にハマってない芸人」などと揶揄(やゆ)された時代もあった野性爆弾だが、同期には次長課長、ブラックマヨネーズ、チュートリアルの徳井義実がおり、「僕ら意外と古株なんですよ。周りは有名なやつらばかりでしたからね」と川島が語るとおり、そのキャリアは実は結構長い。キラ星のごとくテレビで活躍する同期たちを横目に、彼らはシュールなネタで熱狂的なファン層を着実に増やしていった。ワイルドで危険な川島がボケを、業界でも屈指の天然キャラであるロッシーがツッコミを担当。お笑いの法則から一歩外れた彼らのコントが織り成すカオス空間はハマってしまうとクセになる。
また同郷だけあって息もピッタリ。川島がロッシーのことを「究極の優しいやつですからね。こいつは優しさの塊。体が悪くなってもこいつの肉を食うたら治るんちゃうかな」と評すると、ロッシーも「相方にそう言われるとうれしいな。川島はワイルドなイメージがありますけど……まぁ優しい」と笑顔で返す。思わぬところで露呈するコンビ愛に顔を見合わせながらエヘヘと笑い合う二人。近年は多くのテレビ番組に出演を果たし、一気にメジャーな存在となった。
昨年はロッシー主演の映画『無知との遭遇 CLOSE ENCOUNTERS OF THE STUPID』が公開、そして今年は川島の初主演映画『ミステイクン』が公開されるなど、ついに時代が彼らに追いついた!? というような活躍ぶりだ。本作の監督は「やりすぎコージー」「怒りオヤジ」などでテレビ東京深夜バラエティー伝説を作り上げた名物プロデューサーの伊藤隆行。家賃の安い、いわくつきの物件に引っ越してきた野性爆弾・川島が、そこで幽霊の気配を感じ、部屋をカメラで撮影する……という某ホラー映画を彷彿(ほうふつ)とさせる内容だが、劇中の川島はカメラの前で自由におならをしたり、尻を出したりと、まるで自分の部屋にいるかのような自然なふるまい。
そんな自身の演技について、「大先輩の役者さんが僕の芝居がいいと言ってくれたんですよね。(北大路)欣也父ちゃんがね」とボケる川島に、すかさずロッシーが「うそでしょ」とツッコミ。「尊敬する役者さんである丹波哲郎さんみたいになって『大霊界』の続編を撮りたいですね。そのときのクレジットは丹波邦裕でも川島哲郎でもいいですね」と川島の監督宣言(!?)まで飛び出すなど、彼らのコメントも絶好調だ!?
そんな彼らのコントにも通じるようなシュールさが特徴の本作。撮影については「台本もなくて、好きなようにやっていいと言われた。きちんと台本を覚えなきゃというテンションで行ったおれが悔しかった」と川島は冗談交じりに振り返るが、映画とバラエティー番組が融合した独自の世界は、バラエティー番組をこよなく愛する伊藤監督の、そして野性爆弾ならではの独自の世界だ。「内容はすごく面白いんですよ、まさに新感覚ちゃいますかね。不思議な映画です」とロッシーもオススメする本作。クライマックスには、思わず背筋がゾッとするような驚がくのオチが待っている。(取材・文:壬生智裕)
映画『ミステイクン』は10月1日よりシネクイントにて公開