ジェームズ・キャメロン、3D哲学を語る!「3Dは閉所でこそ効果を発揮」
映画『アバター』のジェームズ・キャメロン監督が、未開の巨大洞くつにおける緊迫のサバイバルを3Dで描く、製作総指揮を務めた最新作『サンクタム』について、「3Dは閉所が舞台の作品のほうが効果的」と3D映画の先駆者としての独自の哲学と共にアピールした。
本作は、南太平洋に浮かぶ島に存在する洞くつの謎を解明しようと訪れた探検隊の、命懸けのサバイバルが展開するアドベンチャー作品。押し寄せる激流や水かさの上昇によって迫る天井など、閉所ならではの恐怖が3Dで描かれる。製作総指揮を務めるキャメロン監督は、本作のために6~7年をかけて開発したカメラを使用し、『アバター』からさらに進化した3D表現で、水中の風景や洞くつ独特の吸い込まれるような暗闇の恐ろしさを描写した。
『アバター』では、架空の衛星を舞台に、画面いっぱいに広がる大自然を3Dで表現してみせたキャメロン監督。しかし、同作の映像については「視界の広さを存分に生かせたから、3Dと2Dはそれほど大差はない」と意外なコメント。劇中では、むしろ閉所で展開する会話の場面やジャングルを越える場面などのほうが、俯瞰(ふかん)や戦闘の場面以上に3D効果が発揮されているといい、「実は3D上映というのは、映画を閉所的に見せているんだ。3Dで見るのは、閉所のシーンのほうが最適だと思うよ」と洞くつという、これ以上ない閉所が舞台の『サンクタム』と3Dの相性の良さを解説。「閉所的なストーリー展開に3Dが合う気がしていたんだ」と独自の3D哲学を明かした。
そんなキャメロン監督が、「普通の映画は薄皮一枚はがれない感じ。だけど、3Dは本能的な体験へと、観客を引きずりこむね」と絶大な自信を見せている本作。『アバター』以降に公開された3D映画にどこか不満を感じていた人は、同作で圧倒的な3D映像を作り上げたキャメロン監督が手掛ける、本物の3D体験を味わってみてはいかがだろう。(編集部・入倉功一)
映画『サンクタム』は9月16日より全国公開