「ONE PIECE」尾田栄一郎、『次郎長三国志』ジャケットイラストを描き下ろし!マキノ雅弘監督の代表作が初DVD化!
人気マンガ「ONE PIECE」で知られる尾田栄一郎が、マキノ雅弘監督の代表作『次郎長三国志』全9部作のDVDジャケットイラストを描き下ろしたことが明らかになった。尾田が「ONE PIECE」以外のキャラクターを描くのは極めて異例であることに加え、『次郎長三国志』シリーズは今回が初のDVD化ということで、大きな話題になることは間違いなしだ。
尾田が本シリーズのジャケットイラストを務めることになったきっかけは、スタジオジブリのプロデューサーで知られる鈴木敏夫とDreams Come Trueのライブで出会って意気投合したこと。それが縁となり、尾田は2009年12月にラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に出演。その際は尾田が大ファンだという『次郎長三国志』の話で盛り上がり、今年6月に2度目の出演を果たしたときも尾田は同作に言及。その場に居合わせた権利元の東宝社長にDVD化を直談判するなど、その熱意のかいあってか、今回初のDVD化が決定した。尾田はジャケットイラストの描き下ろしを快諾し、題字は尾田の希望で鈴木が手掛けることとなった。
「ONE PIECE」以外のキャラクターを尾田が描くのは極めて異例のことだったが、人物の特徴を見事にとらえたその仕上がりは見事の一言。小堀明男演じる清水の次郎長の精悍(せいかん)な顔つきはもちろんのこと、森繁久彌の森の石松、また今回のビジュアルには掲載されていないものの、田中春男が演じた法印大五郎、さらには紅一点の投げ節お仲といった往年の日本映画ファンならば泣いて喜ぶような俳優陣の魅力に改めてスポットを当てている。イラストを観るだけでファンならではの熱意が伝わってくるほどだが、さらに尾田は本シリーズについて「これは幕末の任侠・ヤクザ映画です。みんなで叫びましょう、“次郎長”ヤベェ!!」とコメントを寄せており、本当に本シリーズを愛していることがうかがえる。
『次郎長三国志』シリーズは、1952年公開の「第一部 次郎長売出す」から始まったシリーズで、1954年公開の「第九部 荒神山」に至るまで9作が制作された、当時マキノ雅弘名義だったマキノ雅広監督の代表作。村上元三の原作を基にした痛快な物語は興行的に大きく成功した。その一方でシリーズとしては未完に終わっており、1960年代にはマキノ監督のセルフリメイクという形で、新たに『次郎長三国志 第一部』から始まる4作が制作されている。2008年には監督の甥にあたるマキノ雅彦(津川雅彦)が監督を務め、中井貴一が主演を務めた『次郎長三国志』が公開されている。むかしからのファンはもちろん、今回のDVDリリースを機に若い人にもその魅力に触れてもらいたい、日本映画が誇る名シリーズとなっている。(編集部・福田麗)
DVD『次郎長三国志 第一集』は10月28日発売 11月に『次郎長三国志 第二集』、12月に『次郎長三国志 第三集』が発売 税込み価格: 各1万1,550円(3枚組)